ギリシャ神話の世界で起こる愛の物語、バレエ『シルヴィア』のあらすじや見どころを解説|23年3月にハンブルク・バレエ団が来日
7.『シルヴィア』関連
7.1『ディアナとアクティオン』
『ディアナとアクティオン』は『シルヴィア』と同じくギリシャ神話をもとにしたバレエ作品です。
狩りの女神ディアナとニンフたちの水浴びを見てしまった猟師アクタイオンが、ディアナによって鹿の姿に変えられてしまうという悲惨なエピソードがもとになっています。
『ディアナとアクティオン』は、『シルヴィア』のようにはっきりとしたストーリーがあるのではなく、バレエ作品『エスメラルダ』の一部分で踊られるディヴェルティスマン(物語の筋とは関係のない余興的な踊りのこと)です。
そのため、ディアナとアクティオンは元のエピソードのような関係ではなく、踊りのパートナーとして、超絶技巧をふんだんに取り入れながら明るく踊ります。
7.2『シルヴィア組曲』
ドリーブ作曲の音楽『シルヴィア』から以下の4曲を組み合わせた組曲です。ピアノ組曲の楽譜が1876年に、管弦楽組曲が1880年に出版されました。
- 前奏曲・狩りの女神 Prélude – Les Chasseresses
- 間奏曲とゆるやかなワルツ Intermezzo et Valse lente
- ピッツィカート Pizzicati
- バッカスの行列 Cortège de Bacchus
上記に加えて、バレエ『シルヴィア』では第2幕で踊られる「エチオピア人の踊り」が加えられることもあります。
7.3『ファデッタ』
『ファデッタ』は、ドリーブ作曲の『シルヴィア』を使ったバレエ作品です。
ロシアのペルミバレエ団がレパートリーとしています。
少女ファデッタと村の青年アンドレの恋物語を描いた作品です。村の人々から良い印象を持たれていないファデッタですが、アンドレの優しさに触れて次第に素直になっていきます。
『シルヴィア』で有名なピチカートは、女性2人で踊られます。ワガノワバレエ学校の生徒が踊ることも多く、手をつないだままピチカートの曲で踊る少女たちを観たことがあるバレエファンの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ペルミ・オペラ・バレエ劇場のYouTubeチャンネルでは、2009年に復活上演された『ファデッタ(фадетта)』の記録映像が2020年にオンライン配信されました。現在もそのアーカイブを見ることができます。
ペルミ・オペラ・バレエ劇場 YouTube公式チャンネル
ペルミ・オペラ・バレエ劇場 YouTube公式チャンネル|『ファデッタ』2009年11月19日公演
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