プレビュー:新国立劇場オペラ『ピーター・グライムズ』11月23日(金)〜12月5日(土)新国立劇場オペラパレス

新制作の『ピーター・グライムズ』で新シーズンをスタート

今年はベンジャミン・ブリテンの没後50年のメモリアル・イヤーです。彼のオペラ『ピーター・グライムズ』の新制作公演で、新国立劇場オペラは2026/2027シーズンをスタートさせます。20世紀イギリス音楽を代表する本作は、人間の内面に潜む狂気や、集団心理の恐ろしさをえぐり出す心理劇です。
あらすじ
1830年頃のイギリス東部、北海に面した閉鎖的な漁村が舞台です。主人公の漁師ピーター・グライムズは、見習いの少年を海で事故死させてしまったことから、村人たちから殺害の疑惑と冷たい視線を向けられます。気性が荒く不器用な彼は無実を主張するものの、次第に孤立していきます。
教師のエレンやバルストロード船長は彼に手を差し伸べますが、村人たちの猜疑心は収まりません。新たな徒弟となった少年をも事故で失ったことで船長もかばいきれず、グライムズはますます追い詰められていきます。
グライムズが最後に選ぶ運命とは何なのか。人間の残酷さと孤独が深く胸に突き刺さる、衝撃的な結末が待ち受けています。
演出は新国立劇場初登場のロバート・カーセン

本作の演出を手掛けるのは、現代オペラ界を代表する演出家の一人、ロバート・カーセン。新国立劇場には今回が初登場となります。プロダクションの初演は2023年にミラノ・スカラ座です。
カーセンの演出では、「共同体」である集団そのものもドラマの主人公のように扱われます。閉鎖的な村社会で、疑念が膨らみ同じ方向へと流されていく。その過程を丁寧に描くことで、集団が一人の人間を追い詰めていく奥深い悲劇となっています。
魅力的なキャスト陣には、この作品にふさわしい実力派が揃いました。タイトルロールのピーター・グライムズには、欧米の有名歌劇場で絶賛を浴びるテノールのブランドン・ジョヴァノヴィッチで、新国立劇場初登場を飾ります。2023年のミラノ・スカラ座公演でも同役を歌い、絶賛されたジョヴァノヴィッチに注目です。
エレン・オーフォードにはサリー・マシューズ、バルストロード船長にはジョーダン・シャナハン、この二人も新国立劇場初登場です。
ハッピーエンドではなく、終始重苦しい空気に包まれている『ピーター・グライムズ』。「みんなと同じ」であることを求められ、異質なものを排除しようとする同調圧力は、現代にもあちこちにあります。グライムズの孤独と悲劇は、人と異なると排除されてしまう恐ろしさです。またこの作品からは「自分は追い詰める集団の一人なのか」と自問自答する機会を投げかけられていることにも気づくことでしょう。
公演情報
11月23日(月・祝)14:00開演
11月26日(木)14:00 託児サービスあり
11月29日(日)14:00
12月2日(水)14:00
12月5日(土)14:00
会場:新国立劇場オペラパレス
チケット料金:31,900円〜1,980円
詳しくは:新国立劇場










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