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プレビュー:東京バレエ団「オネーギン」11月6日(金)〜11月8日(日)新国立劇場オペラパレス

14年ぶりの再演

大人が魅了されるドラマティック・バレエ

ドイツの地方バレエ団の一つにすぎなかったシュツットガルト・バレエを世界的名カンパニーへと飛躍させた20世紀を代表する振付家、ジョン・クランコ。彼の功績は「シュツッツガルト・バレエの奇跡」と称され、映画化もされました(『ジョン・クランコ バレエの革命児』(2024年))。

クランコが文豪プーシキンの同名小説を全幕バレエ作品にした『オネーギン』は、1965年にシュツットガルト・バレエ団で初演されました。音楽はチャイコフスキーです。チャイコフスキーにはオペラ『エウゲニ・オネーギン』というオペラがあるのですがオペラからの音楽は一切使用せず、チャイコフスキーのさまざまな作品で音楽が構成されています。

今回、舞台美術・衣裳は、ミラノ・スカラ座で上演されたものを使用します。

東京バレエ団は日本で唯一この作品をレパートリーとして上演しているカンパニーで、2010年に初演、2012年に再演以来、実に14年ぶりとなる上演が今年11月に実現します。

あらすじ

田舎の領主の娘タチヤーナは、都会からやってきたオネーギンに恋をします。純情なタチヤーナは自らの思いを手紙に託しますが、オネーギンは冷たくあしらうのでした。その後、オネーギンは友人レンスキーと決闘することになり、レンスキーを倒してしまいます。時を経て公爵夫人となったタチヤーナと再会したオネーギンは、かつて拒絶したタチヤーナに激しい恋心を抱きます。けれどもタチヤーナは現在の身分を考え、彼を拒絶します。男女のすれ違う愛と悲劇をクランコは全4幕のドラマティック・バレエとして描きました。

見どころ
二つのパ・ド・ドゥ

バレエ『オネーギン』の最大の見どころは第1幕と第3幕のオネーギンとタチヤーナによるパ・ド・ドゥです。

第1幕第2場、タチヤーナの寝室のシーン。オネーギンと出会い恋に落ちたタチヤーナはオネーギンに手紙を書きます。そして鏡の前に立っていると鏡の中からオネーギンが現れ、二人は夢のように美しいパ・ド・ドゥを踊ります。ここは「鏡のパ・ド・ドゥ」と呼ばれ象徴的な名シーンの一つです。

第3幕第2場、物語のクライマックスで、タチヤーナの部屋に二人が対峙します。オネーギンから手紙を受け取ったタチヤーナ、そこにオネーギンが入ってきます。二人は激しく官能的なパ・ド・ドゥを踊りますが、タチヤーナは公爵夫人であるという現在の自分の立場と、揺るぎない倫理観からオネーギンを拒絶します。ここは「手紙のパ・ド・ドゥ」と呼ばれています。

どちらも男女の感情の揺れを身体の動きだけで鮮烈に描き出す、クランコならではのドラマティックな振付です。高度なテクニックと豊かな表現力を同時に求められる、バレエ史に残る名場面として知られています。

もちろん、レンスキーとオリガのパ・ド・ドゥや、オネーギンとレンスキーの決闘など、物語を大きく動かす場面も見逃せません。

14年ぶりの再演
キャストに期待

東京バレエ団はレベルの高いダンサーが揃っており、世界のトップカンパニーでないと踊りこなせない難しい作品を充実のキャストで披露します。

オネーギンには柄本弾、宮川新大、タチヤーナには沖香菜子、秋山瑛、レンスキーには大塚卓、池本祥真、生方隆之介、オリガには工桃子、足立真里亜、中島映理子、そしてグレーミン公爵には安村圭太、樋口祐輝という顔ぶれです。

『オネーギン』は極めて高いテクニックや表現力が求められるだけでなく、舞台装置や衣裳なども多額の費用を必要とする作品です。そのためにダンサーが揃ったからいつでも上演する、という作品ではありません。東京バレエ団は『オネーギン』リバイバル基金を設け、寄付を募っています。

バレエファンはもちろんのこと、普段あまりバレエをご覧にならない方にもぜひ劇場でご覧になっていただきたい名作です。


公演情報
11月6日(金)19:00開演
11月7日(土)13:00、18:30開演
11月8日(日)13:00開演
会場:新国立劇場オペラパレス
チケット料金:18,000円〜6,000円

詳しくは:東京バレエ団

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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