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プレビュー:新国立劇場オペラ『蝶々夫人』5月14日(水)〜24日(土) 新国立劇場オペラパレス

新国立劇場オペラで一番上演回数の多い作品


『カルメン』に続き今度は『蝶々夫人』と、新国立劇場オペラでは、初心者に特におすすめしたい作品が続きます。

新国立劇場オペラの『蝶々夫人』は演出が栗山民也、美術が島次郎、衣裳が前田文子、照明が勝柴次朗とスタッフ全員が日本人です。今回のキャストもピンカートンのホセ・シメリーリャ・ロメロ(新国立劇場初登場)、シャープレスのブルーノ・タッディア(新国立劇場初登場)以外は全員日本人です。

明治時代の長崎が舞台で日本人が主人公の作品を日本人が制作する……これは世界へ向けて自信を持って披露できる自信作といえます。その証拠に、この『蝶々夫人』は新国立劇場オペラでの上演回数が最も多い作品なのです。

キテレツさがないのはもちろん
華美さを廃し、ドラマに集中できる演出


海外の『蝶々夫人』のプロダクションは、日本人にとってはどうしてもどこか違和感があり、仕方ないと思っていても気になるものです。例えば着物の着付け、装飾華美な着物、日本髪のかつら、蝶々夫人やスズキの所作などなど。そういった要素は歌手の歌唱や仕草などにも影響するもの。だからそういうストレスのない舞台は非常に心地よいのです。舞台美術もどちらかといえばミニマル、大きな階段が舞台の奥行きを意識させ、シーンごとに効果的に使われています。蝶々さんの心情に集中し、精神性の高さに感嘆し、物語に没頭できます。

小林厚子が本公演デビュー


今回、蝶々夫人は小林厚子が演じます。蝶々夫人を得意とし、新国立劇場での高校生のためのオペラ鑑賞教室『蝶々夫人』にもたびたび出演、「理想の蝶々さん」と高く評価されています。2018年には新国立劇場オペラ『トスカ』のトスカ役に急遽代役として登場し大成功を収めています。他にもコロナ禍、海外の歌手が来日できない状況になった時に、代役で登場して成功させ、着実にキャリアを積んできました。代役で舞台に立ってきましたが、いよいよ新国立劇場オペラの本公演デビューとなります。

小林のデビューを飾るにふさわしく、他のキャストも充実しています。スズキには山下牧子、ゴローに糸賀修平、ボンゾに妻屋秀和、ヤマドリに吉川健一、ケートに佐藤路子が配役されています。

ドラマティックで聴きどころ満載な音楽が紡ぐ一途で悲しい日本人女性の物語、ぜひ劇場で経験しましょう。

画像:新国立劇場「蝶々夫人」より 撮影:寺司正彦


新国立劇場オペラ『蝶々夫人』5月14日(水)〜24日(土)

会場:新国立劇場オペラパレス
開演
5月14日(水) 18:30
17日(土) 14:00
21日(水) 14:00
24日(土) 14:00 託児サービスあり

チケット料金:2,6400〜1,650円 

詳しくは:新国立劇場

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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