プレビュー:新国立劇場バレエ『バレエ・コフレ』3月14日(金)〜16日(日) 新国立劇場オペラパレス
20世紀に作られたバレエ作品を楽しむ
新制作も含めトリプル・ビルで
全幕の古典作品ではなく、20世紀に作られた3作品を上演する豪華で楽しい公演が行われます。3作品のうち新制作が2作品! そしてストラヴィンスキー作曲、ミハイル・フォーキン振付の『火の鳥』は12年ぶりの上演となります。
練習風景を描いた『エチュード』
新制作1作目は、デンマークの振付家ハラルド・ランダーによる『エチュード』です。バレエのルーティーンであるレッスン風景を再現したかのような内容です。最初は舞台上にバーがありバーレッスンを見せられ、その後センターで踊り、さらにパ・ド・トロワ、パ・ド・ドゥ、パ・ド・カトル、と変化していき最後のクライマックスにはソリストが難易度の高いテクニックを駆使して次々とジャンプや回転を見せます。音楽はピアノのレッスンを受けた経験のある方ならおわかりのカルル・チェルニー。伴奏ともども、まさにレッスンそのものです。しかし、これが見ているとものすごく面白いのです。テクニックが身についているプロのダンサーでなければ本当にただのバレエ教室のレッスン風景で終わってしまうのですが、徐々に単純な動きがいかに豊かな表現にまで広がっていくかを披露してくれます。
5人のダンサーが織りなす
プロットレス・バレエ
『精確さによる目眩くスリル』は、2022年に新制作として準備していましたがコロナ禍で延期になっていました。今回待望の上演となります。20世紀を代表する、コンテンポラリー・ダンスの最先端を走る振付家ウィリアム・フォーサイスによる作品で、クラシック・バレエへのオマージュが込められたプロットレス・バレエです。音楽はシューベルトの交響曲第8番「ザ・グレート」が使用されています。
『火の鳥』の2ペア
どちらを見るか迷う
『火の鳥』はバレエ・リュスのためにストラヴィンスキーが曲を、フォーキン振り付けをした1幕のバレエ作品で、1910年にパリ・オペラ座で初演されました。今なお、新鮮でワクワクさせられ、それでいてロシアの民話に基づくストーリーゆえフォークロアな雰囲気も感じさせる傑作です。
小野絢子と奥村康祐、池田理沙子と渡邊拓朗という2ペアがキャストされており、どちらを選ぶか本当に迷うところです。
上演の機会が多くないこともあり、クラシック・ファンで『火の鳥』を見たことのない方はぜひおすすめです。この作品がバレエのために作られたことを体感できます。
新国立劇場バレエ『バレエ・コフレ』
開演
3月14日(金)19:00
3月15日(土)14:00 託児サービスあり
18:30
3月16日(日)14:00
会場: 新国立劇場オペラパレス
チケット料金:12,100〜1,650円
詳しくは:新国立劇場
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