プレビュー:東京二期会『LuLuールルー』 4月11日〜4月19日 カルッツかわさき、新国立劇場オペラパレス

素晴らしいプロダクション
希少な上演作品を再び

強烈なキャラクターであるルルの数奇な運命を描く物語
アルバン・ベルクによって十二音技法で書かれた20世紀の傑作オペラです。
貧民街に生まれた主人公のルルは、少女時代に新聞社の編集長であるシェーン博士に拾われて、彼好みの理想の女性に育て上げられます。さまざまな男性がルルに魅了されて結婚したり愛人関係になったりします。でもみんな不幸になってしまうのです。医事顧問官は心臓発作で倒れ、画家は彼女の不貞に耐えられず自殺、シェーン博士は嫉妬からビストル自殺をルルに迫るもの逆に撃たれる、といった具合です。その後画家や投資家となどと関係を持ち裕福な生活を送りますが、破産。最後はロンドンで身を売るようになり彼女は「切り裂きジャック」に声をかけてしまうのです。
5年前の初演時、高評価を得たプロダクション

奔放で男たちが引き寄せられてしまう魔性の女、ルル。ルルという女性の解釈はさまざまで、簡単に「ファム・ファタール」と一言で言ってしまうにはあまりにも複雑な内面があります。
演出を手がけたカロリーネ・グルーバーは20世紀のオペラ演出を得意とする気鋭の演出家です。5年前に二期会がグルーバーによる新演出版を上演する、というニュースは大きな話題となりました。そして公演は大成功を収めたのです。今回は待望の再演となります。
グルーバーは、ルルを含め登場人物たちの関係性、感情の変化を緻密にすくいあげ提示します。また、抽象的な音楽とも緊密に結びついて複層的な心理劇となっています。
特徴的な存在として、劇中、魂を象徴する存在(ダンサーが演じる)が登場します。ルルの感情や男たちの衝動や欲望、物語が死へと向かう空気感を表します。
ルルという難しい役に挑戦するのは宮地江奈と冨平安希子。他の役もそれぞれ素晴らしいキャストが揃っています。
指揮はオスカー・ヨッケル。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団でキリル・ペトレンコのアシスタント指揮者として経歴を積み、2023年にはヘルベルト・フォン・カラヤン賞を受賞している、活躍目覚ましい若手指揮者です。実は彼は日本の文化にも通じているのですが、今回が初来日です。作曲もするヨッケルと東京フィルハーモニー交響楽団との演奏は楽しみですね。
『ルル』は上演の機会が少ない作品です。初演時に絶賛された、完成度の高いこのプロダクションで、ぜひとてつもない緊張感が続く20世紀のオペラを楽しみましょう。
東京二期会『LuLuールルー』
【川崎公演】
4月11日(土) 14:00
会場:カルッツかわさき
チケット料金:25,000〜5,000円
【東京公演】
4月17日(金)18:00
4月18日(土)18:00
4月19日(日)14:00
会場: 新国立劇場オペラパレス
チケット料金:25,000円〜6,000円
詳しくは:東京二期会










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