プレビュー:6月17日(土)ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集第188回
ジョナサン・ブロックスハム初来日
東京交響楽団名曲全集第188回
指揮:ジョナサン・ブロックスハム
祝!初来日
ようやく日本にお目見え
東京交響楽団の名曲全集シリーズにジョナサン・ブロックスハムが登場します。コロナ禍で来日が叶わずにいましたが、とうとう日本のオーケストラを指揮することが実現します。
ブロックスハムは、バーミンガム市響のアシスタント指揮者として活動していましたが、2022年10月にロンドン・モーツァルト・プレイヤーズのレジデント・コンダクター兼アーティスティック・アドバイザーに就任しました。ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズといえば、フルーティストのジェームズ・ゴールウェイが首席客演指揮者を務めていた室内オーケストラとして有名です。いよいよ本格的なキャリアをスタートさせ張り切っているブロックスハムの現在を知ることのできる絶好の機会といえます。しかも演奏演目はモーツァルトのピアノ協奏曲第20番とラフマニノフの交響曲第2番という定番中の定番、大人気の作品です。
モーツァルトで再認識する
中野翔太の多才さ
ピアノ:中野翔太
モーツァルトのピアノ協奏曲第20番のソリストとして登場するのは、中野翔太です。彼はガーシュインの作品を集めたCDをリリースしたり、ジャズや現代音楽も演奏したりとレパートリーの幅の広さを誇ります。また、ユニークな企画のコンサートにも積極的に参加、抜群のサポート力、また牽引力を発揮します。
昨年、神奈川県民ホールで行われたフィリップ・グラス作曲『浜辺のアインシュタイン』では、人間業とは思えぬ正確で端正な演奏を披露しました。職人気質のピアニストかというと実はそうではなく、熱いパッションや深淵な思考を露呈させる極めてアーティスティックな演奏も聴かせてくれます。
今回、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番は人気の曲で耳馴染みも良いからこそ、彼の解釈、ピアニズムを堪能することができます。またブロックスハムとのコラボレーションも楽しみです。
ラフマニノフのメモリアル・イヤーを楽しむ
今年はセルゲイ・ラフマニノフの生誕150年、没後80年にあたるメモリアル・イヤーです。世界中でラフマニノフの作品が盛んに上演されています。このコンサートで演奏される交響曲第2番はラフマニノフ作品の中でも人気の高い作品です。特に第3楽章のスイートなメロディはさすが稀代のメロディ・メーカーで、ラフマニノフの真骨頂です。交響曲第1番は失敗に終わったものの、ピアノ協奏曲第2番が大成功して自信を取り戻した状態でこの交響曲第2番は作曲されました。
第2楽章のサビのメロディに耳が集中してしまいますが、せっかくの生のオーケストラの演奏ですので、このメロディはどのように生まれるのか、メロディの周辺、つまり第3楽章全体、ひいては4楽章丸ごとのつながりなどを気に留めて鑑賞してはいかがでしょう。ブロックスハムの解釈も楽しみですね。
2023年6月17日(土)
ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団
『名曲全集第188回』
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
(JR川崎駅より徒歩3分)
開演:14時(開場:13時15分)
★ チケット料金
6,000円〜3,000円
詳しくは:ミューザ川崎シンフォニーホール
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