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小説『鼻』ニコライ・ゴーゴリ:〜オペラ『鼻』の原作紹介〜オペラの原作#02

まとめ ── 荒唐無稽な不条理劇のユーモア

パンから鼻が飛び出して、人格を持って歩き出す。その鼻は五等官で、立派な紳士然として街を闊歩する……。教訓のようなものはあまり感じられず、荒唐無稽と思われる筋立ての物語ですが、どうしてこの作品はこんなにも魅力的なのでしょう?

『鼻』が今も愛されているのは、こんな話はお国のためにならない、まったくもって益がないということが無関係ではない気がします。

滑稽さに光を当てることで、登場人物たちが生き生きと動き出し、笑いに包まれる。

この話に益はないのかもしれませんが、ユーモアは現代も生き続け、人々を魅了し続けています。

ベラルーシ、ブレストにあるゴーゴリ通りの「鼻」の像

オペラ『鼻』公演と配信

オペラ『鼻』は日本公演は少なく、2005年にウラディーミル・アグロンスキーが指揮を取ったロシア国立モスクワ室内歌劇場日本公演が最後となっています。

世界の公演スケジュールを見てみると、2022年5月にデンマーク王立劇場、7月にはバイエルン国立歌劇場、2023年にはスペインのテアトロ・レアルと公 演が急増していて、近年での注目度の高さがうかがえます。

デンマーク王立劇場『 The Nose 』

バイエルン国立歌劇場 『 DIE NASE 』

テアトロ・レアル『 La Nariz 』

気になる!見てみたい!という方には、記事冒頭で紹介したメトロポリタン歌劇場公演の、METオペラオンデマンドでの配信があります。
4.99$で一作品レンタル、月額14.99$で見放題プランが提供されています。見放題は7日間の無料お試しもあります。

METオンデマンド『 The Nose 』
https://www.metopera.org/season/on-demand/opera/?upc=811357016824

DVD作品もリリースされています。

DVD ショスタコーヴィチ『 鼻 』
https://tower.jp/item/2752569?kid=gs2752569

指揮:ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
管弦楽:モスクワ室内音楽劇場管弦楽団

ポクロフスキー&ロジェストヴェンスキーのショスタコーヴィチ「鼻」、映像がDVDに!

もはや伝説的なモスクワ室内音楽劇場によるショスタコーヴィチの「鼻」がDVDに! ある日突然鼻が自分を離れて勝手に動き回るという突飛で皮肉の利いたゴーゴリの原作を、20代前半のショスタコーヴィチが刺激たっぷりにオペラ化。1930年に初演されたものの、その後ロシアではまったく省みられなかったこの作品を一気に傑作として世界に知らしめたのが、このポクロフスキーの舞台でした。近年「鼻」は若きショスタコーヴィチの野心作として上演も多く、またモスクワ室内音楽劇場の来日公演もありましたが、映像は1995年の上演がレーザーディスクで発売されただけでした。今回、貴重な映像が初めてDVDになりました。名匠ロジェストヴェンスキー率いるモスクワ室内音楽劇場の音楽はさすが切れ味抜群。特典映像としてリハーサルに立ち会うショスタコーヴィチの姿とボリス・ポクロフスキーがこのプロダクションについて語る様子も収録。ショスタコーヴィチ・ファンに歓喜のDVDです。

キングインターナショナル 発売・販売元 提供資料

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1982年、福島県生まれ。音楽、文学ライター。 十代から音楽活動を始め、クラシック、ジャズ、ロックを愛聴する。 杉並区在住。東京ヤクルトスワローズが好き。

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