E・T・A・ホフマン『くるみ割り人形とねずみの王さま』 小説を彩るクラシック#9

『くるみ割り人形とねずみの王さま』のあらすじ

『くるみ割り人形とねずみの王さま』あらすじ
クリスマス・イヴの夜

クリスマス・イヴのシュタールバウム家。

7歳の少女マリーと兄のフリッツが、おもちゃの兵隊が欲しいと言ったり、白鳥が泳ぐ素敵な庭園を空想したりしながら、両親や、子どもたちの名付け親であるドロセルマイアーおじさんのクリスマスプレゼントを楽しみに待っています。

子どもたちに用意されたのは、テーブルいっぱいに並んだ色とりどりのプレゼントの山。ドロセルマイアーおじさんは、創意に満ちた機械仕掛けのお城を披露しますが、興味を示されず、がっかりしています。

姉のルイーゼはさっそくプレゼントの洋服に着替え、フリッツも新しいおもちゃにはしゃいでいます。マリーはというと、テーブルに残ったヘンテコな恰好をしたくるみ割り人形に心を惹かれました。けれど、フリッツが大きなくるみをむりやりくわえさせて、壊してしまいます。

マリーは、壊れたくるみ割り人形をおもちゃの小さなベッドに寝かせて、機械に詳しいドロセルマイアーおじさんに直してもらうからね、と話しかけます。
そうして、自分の寝室に行こうとしたその時です。あたりの気配は一変、7つの頭をもつねずみの王さまと、その配下であるねずみの軍勢が、床から噴き上げられたかのようにあらわれました。

驚くマリーの前で、くるみ割り人形がベッドから飛び出し、ねずみの軍勢に剣を抜きます。
くるみ割り人形に加勢するのは、3人のスカラムッチャ、1人のパンタローネ、4人の煙突掃除夫、2人のツィター奏者、そして1人の鼓手、の人形たち。
ねずみとくるみ割り人形軍の合戦が始まります。

くるみ割り人形にピンチがやってきた時、マリーは咄嗟に左足の靴を脱いで、ねずみの王さまめがけて投げつけ、そのまま気を失ってしまいます。

目覚めたマリーは包帯を巻かれベッドに寝かされていました。「人形とねずみの戦争はどうなったのだろう?」母親に訊ねますが取り合ってくれません。

そのことをドロセルマイアーおじさんに話すと、彼は「固いくるみのメールヘン」を語りはじめるのでした。

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1982年、福島県生まれ。音楽、文学ライター。 十代から音楽活動を始め、クラシック、ジャズ、ロックを愛聴する。 杉並区在住。東京ヤクルトスワローズが好き。

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