ブルガーコフ『犬の心臓』×『ドン・ファンのセレナーデ』、オペラ『アイーダ』小説を彩るクラシック#22
『犬の心臓』
『犬の心臓』は、1925年に書かれた小説ですが、原稿は秘密警察の手により押収され、ブルガーコフの存命中に発表されることはありませんでした。
この小説には3つの版があり、地下出版や不完全版の雑誌掲載を経て、原版に基づいた形で発表されたのは1989年、没後50年近くになってのことでした。
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ストーリー
この物語の主人公は野良犬のコロです。(原作ではシャリクとなっている。”シャリク”はロシアでは犬につけるオーソドックスな名前で、”小さな玉”といった意味合いがある)
コロはいつも腹を空かせながらモスクワの街を気ままに放浪しています。
ある日、若返りの研究において優れた成果を挙げていた優秀な外科医フィリップ・フィリーパヴィチ教授が、街で偶然出会ったコロを拾います。
フィリップ・フィリーパヴィチは、コロに豪華な食事を与え、コロは唐突なライフスタイルの変化に驚きますが、やがて、与えられた幸福を受け入れていきます。
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しかし、実はこの教授がコロを拾ったのには理由がありました。
それは、実験のために、「犬に人間の脳下垂体と睾丸を移植する」というもので、彼はコロをつかって脳下垂体の活動力が若返りに与える影響を調べようと思ったわけです。
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