【ランメルモールのルチア あらすじ】引き裂かれる恋人、悲劇の実話…!(2022/9/27 公演情報追記)
ランメルモールのルチア作曲家
ドニゼッティ(ガエターノ・ドニゼッティ)はランメルモールのルチアを初め、70作品のオペラを残しました。これは、作曲家の中でも最も多い数です。現在まで上演され続けているのは一握りですが、ドニゼッティの優れた精神力を感じさせます。
ドニゼッティの略歴
[1797年 0歳]
11月29日イタリアのベルガモで生まれる。
[1806年 9歳]
ヨハン・ジョン・マイールの慈善音楽院で音楽を学ぶ。
[1815年 18歳]
マイールの尽力によって、ボローニャ音楽院に入学する。その後、法律家になることを期待した父親の束縛を逃れて、軍隊に志願する。兵籍のまま作曲を続ける。
[1830年 33歳]
オペラ『アンナ・ボレーナ』を発表し、名声を確立する。
[1832年]
オペラ『愛の妙薬』がミラノにて初演。
[1835年]
オペラ『ランメルモールのルチア』がナポリにて初演。
[1840年]
オペラ『連隊の娘』がパリにて初演。
[1840年]
オペラ『ファヴォリータ』がパリにて初演。
[1842年]
オペラ『シャモニーのリンダ』がウィーンにて初演。
[1842年 45歳]
3月、『スターバト・マテール』(ロッシーニ)のイタリアボローニャでの初演によって成功を収める。
[1843年]
オペラ『ドン・パスクァーレ』がパリにて初演。
[1844年 47歳]
梅毒や双極性障害が原因と思われる頭痛や心筋麻痺と闘う。(参考:ウィキペディア)
[1848年 51歳]
4月8日、ベルガモでこの世を去る。
(参考書籍:マンガでわかる「オペラ」の見かた)
ドニゼッティの代表作
ドニゼッティは作曲家ですが、あまり馴染みがないかもしれません。文中でも触れたように、イタリアを代表する作曲家の一人です。ここでは、彼が残した他の代表曲を紹介します。
【Erisir d’amore 愛の妙薬】
「Una furtiva lagrima」
ネモリーノ(男性)に愛されていると知ったアディーナ(女性)は、涙をこぼします。その涙に、ネモリーノは「彼女が私を愛していること以上に、求めるものはない。」と想いをつづったアリアです。一人で歌っているシーンになりますが、ネモリーノの愛に私たちも心を動かされます。とても奥深いアリアなので、日本語訳と一緒に聞くと、この想いを実感できるでしょう。
【Anna blena アンナ・ボレーナ】
「Piangete voi?」
「Al dolce guidami」
王に裏切られた王妃アンナは牢獄の中で、錯乱状態で王への想いを歌います。こちらは、ドニゼッティならではのベルカントのキレイな旋律です。心地よく聴けるこのアリアは、アンナの潔白な心の現れを表現しているのでしょう。
【Don pasquale ドン・パスクワーレ】
「Quel guardo di cavaliere」
ノリーナ(女性)は本を読んでいます。男女2人の想いが結ばれる物語です。そして、笑い、「私は男性を虜にする方法を知っているわ」とノリーナの恋愛術を語りだします。とても愉快で楽しい曲です。早口の部分と、滑らかな流れる旋律が魅力的。高らかに盛り上がるクライマックスも聞き逃せない旋律です!
「Cheti cheti immantinente」
早口で歌われる二重唱です。愉快なメロディーから、現代でいえば白雪姫で7人の小人が歌うハイ・ホーを連想しませんか?愉快な旋律だけではなく、話し合っているところも面白く聴けますよね。
🔻日本人の面白い動画を発見しました!ぜひ、愉快な音楽をお楽しみください。
特に早口なところは笑ってしまうほどの面白さです。
まとめ
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。このオペラは、史実に基づき、作品化となったそうです。恋人のそれぞれの家系が敵対関係にあり、恋が叶わず、自決するに至る…これが実話であることに驚きを感じますが、純粋な愛をなおさら感じてしまいますね。
皆さん、この「ランメルモールのルチア」は、有名な物語に似ていると思いませんか?
そう、そうです「ロミオとジュリエット」です。
どちらの作品も、悲しい悲しい結末です。政略結婚や家柄によって、愛する2人が引き裂かれて自決に至る、その強い愛に、誰しも心を打たれます。
「ランメルモールのルチア」の舞台では、激しい恋、引き裂かれて自決する時など、さまざまな見どころがあり、その瞬間を舞台で感じていただきたいと思います。
オペラの舞台の観劇に行き、少し裕福に文化的な日を過ごしてください。
「オペラって楽しい!!!」
ランメルモールのルチアの感想
7月に行われたMETライブビューイングの、みんなの感想をピックアップしました。
METランメルモールのルチア、元は貴族の政略結婚が招く悲劇ですがここまで現代の物語として違和感がないどころか、説得力を増した話となったことに驚いた。自分の構想を終着駅にするつもりはなく出演者らの着想を取り入れて進化した作品にすることに意味がある、と演出家ストーン氏。 pic.twitter.com/OcJFdbYJXn
— Bee (@coguma777) July 5, 2022
METライブビューイング「ランメルモールのルチア」最終日に鑑賞。いや、何がすごいってネイディーン・シエラの超絶技巧の歌唱に圧倒。若々しい演技と愛らしい笑顔も印象的で、現代版ルチアを違和感なく体現https://t.co/YemjCiOxf4
— 株式会社ラトル/RATTLE,Inc. (@RATTLE_JAPAN) July 7, 2022
サイモン・ストーン演出《ランメルモールのルチア》@東劇METライビュ。シエラの等身大で健康的なルチア像は現代のアメリカの街角によく似合う。だからこそ壊れてしまった「狂乱の場」では、あのすさまじい血みどろのドレスとグラスハーモニカの時空の歪むような音がしっくりきていたな。
— Miho Morioka 森岡実穂 (@MoriokaM) July 7, 2022
METLVランメルモールのルチアを見てきた。17世紀スコットランドの事件をもとにしたペルカントオペラを、21世紀米国の片田舎として演出するというもの。どうしてそうなった。しかし日本語字幕で見ているせいか、意外とはまる。そして絵面はともかく歌唱が素晴らしい。演出で回避したら損してた(続)
— ゆき (@yuki_bkmc) July 7, 2022
現代アメリカへ舞台を変えてしまう斬新さに驚いていたけれど、それを見事に違和感なく仕上げた様子が感想からもわかります。主演の歌唱も素晴らしかったよう。
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