E.T.A.ホフマン『大晦日の夜の冒険』:オペラ『ホフマン物語』の原作紹介〜オペラの原作#06
ジャック・オッフェンバック作曲
オペラ『ホフマン物語』の原作
E.T.A.ホフマン『大晦日の夜の冒険』
オッフェンバックの傑作オペラ、現実と幻想が入り乱れる『ホフマン物語』
ジャック・オッフェンバック 出典:Wikimedia Commons
ドイツに生まれ、19世紀フランスで活躍した作曲家、ジャック・オッフェンバック。
文化人、知識人はフランスの劇音楽を低俗にしたと批判することもありましたが、時代を風刺したオペレッタは聴衆から絶大な人気を得ました。
天才ロッシーニも「シャンゼリゼのモーツァルト」と称すほどの才能で生涯に100を超えるオペレッタ作品を作曲し、ヨハン・シュトラウス2世やドビュッシーなどに大きな影響を与えています。
代表作は『天国と地獄』、『青ひげ』、『パリの生活』など。
『ホフマン物語』は、晩年に心血を注いだオッフェンバック唯一のオペラ作品で、現在でもよく上演されるオペラの一つとなっています。
ドイツ・ロマン主義作家E.T.A.ホフマンによる3つの物語を原作としたオペラ『ホフマン物語』、今回は第四幕の原作『大晦日の夜の冒険』をご紹介します。
オペラ『ホフマン物語』の紹介記事はこちらから↓
見どころ満載のファンタジック・オペラ、オッフェンバックの『ホフマン物語』~あらすじや曲を紹介~
オペラ『ホフマン物語』の構成と物語の原作
第一幕 プロローグ
第二幕 オランピア/原作:『砂男』
E.T.A.ホフマン『砂男』〜オペラの原作#04
第三幕 アントニア/原作:『クレスペル顧問官』
E.T.A.ホフマン『クレスペル顧問官』〜オペラの原作#05
第四幕 ジュリエッタ/原作『大晦日の夜の冒険』
第五幕 エピローグ
『大晦日の夜の冒険』E.T.A.ホフマン
『カロ風幻想作品集(Fantasiestücke in Callot’s Manier)』1819年改訂版より
出典:Wikimedia Commons
『大晦日の夜の冒険』は、1815年1月1日に書き始め、一週間足らずで書き上げられました(1月6日に完成)。
『カロ風幻想作品集』第四巻に収録され、同年公刊。
幻想性の強い、詩的な作品となっています。
小説『大晦日の夜の冒険』の登場人物
- ぼく(著者ホフマンの分身的なキャラクター)
旅する芸術家 - ユーリエ
「ぼく」のかつての恋人 - ペーター・シュレミール
背の高い痩せた男、アーデルベルト・フォン・シャミッソーが書いた『ペーター・シュレミールの不思議な物語』の主人公 - エラスムス・シュピークヘル
小柄な痩せた男 鏡像を失っている - ジュリエッタ
天使のような美貌をもつ高級娼婦 - シニョール・ダペルトゥットォ
奇跡を売りものにする治療師
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