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E.T.A.ホフマン『大晦日の夜の冒険』:オペラ『ホフマン物語』の原作紹介〜オペラの原作#06

関連公演

2023年3月15日(水)〜21日(火・祝)
新国立劇場オペラ『ホフマン物語』
会場:新国立劇場 オペラパレス

開演
15日(水) 18:30
17日(金) 14:00
19日(日) 14:00
21日(火・祝) 14:00

★ チケット料金
24,200円〜4,400円

詳しくは:新国立劇場

オペラと原作の違い

『ホフマン物語』は、『砂男』、『クレスペル顧問官』、『大晦日の夜の冒険』というホフマン作の三つの物語を原作とするオペラ作品です。

E.T.A.ホフマン『砂男』


E.T.A.ホフマン『クレスペル顧問官』

オペラ『ホフマン物語』で、『大晦日の夜の冒険』のエピソードが登場するのは第四幕となります。

オペラでは、共通して主人公は詩人ホフマンとなっており、二幕、三幕、四幕でそれぞれ、詩人の成就しない恋愛が描かれます。

二幕では自動人形に恋をし、三幕では死の運命をたどる病弱な歌姫に恋をし、四幕ではヴェネツィアの高級娼婦ジュリエッタに恋をします。

オペラでのジュリエッタは、魔術師ダペルトゥットからホフマンを誘惑して影を盗めと命じられていました。

賭けですべてを失ったホフマンは、ジュリエッタに影を奪われてしまいます。その上彼女はホフマンを棄てて、去ってしまいます。

前述の通り、ホフマンの恋はいずれも叶うことはないのですが、オペラのラストで、芸術の女神ミューズはホフマンに「詩人として蘇りなさい」と告げます。

『ホフマン物語』は、芸術の女神と悪魔との対立、葛藤を描いており、ホフマンの親友ニクラウスは芸術のミューズとなって、詩人ホフマンを、悪魔(リンドルフ、コッペリウス、ダペルトゥット、ミラクル博士)の誘惑から守る存在として登場します。

エピローグで、すべてを失ってしまったかにみえるホフマンなのですが、喪失を糧に、芸術家として生きる姿を描くという結末は、登場人物全員による合唱も相まって、とても感動的です。

オペラ『ホフマン物語』

次のページ:E.T.A.ホフマンについて|ユーリエとジュリエッタ|関連作品

1982年、福島県生まれ。音楽、文学ライター。 十代から音楽活動を始め、クラシック、ジャズ、ロックを愛聴する。 杉並区在住。東京ヤクルトスワローズが好き。

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