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プレビュー:高砂熱学 PRESENTS 鈴木優人&バッハ・コレギウム・ジャパン×杉本博司 with G.B.Piranesi オペラ《ドン・ジョヴァンニ》2月20日(木)、21日(金)、23日(日・祝)、24日(月・祝) めぐろパーシモンホール 大ホール

ORCHARD PRODUCE 2025 第2弾
今回も魅力的なアーティストが集結

第1弾に続き
チャレンジングなプロダクションに期待

上段左より演出:飯塚励生 美術:杉本博司 指揮:鈴木優人
中段左よりドン・ジョヴァン:ニ クリストフ・フィラー、騎士長: ディングル・ヤンデル、レポレッロ :平野 和、ドンナ・アンナ:森 麻季
下段左より ドン・オッターヴィオ: 山本耕平、ドンナ・エルヴィラ: カリーナ・ゴーヴァン、マゼット :加耒徹、ツェルリーナ :高橋 維

ORCHARD PRODUCE というBunkamura が企画するオペラシリーズの第2弾が2月に上演されます。会場はめぐろパーシモンホール。1000席ほどのホールで、オペラ鑑賞にはとても贅沢な空間です。第1弾はモーツァルトの《魔笛》。日本画家の千住博が美術で参加したことでも話題になりました。

第2弾は同じくモーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》です。

美術は杉本博司

今回は現代美術作家の杉本博司が美術を手掛けます。杉本は、パリ・オペラ座バレエ団の2019/20シーズンのオープニング作品《鷹の井戸》の美術を手掛けた際、大いに話題になりました。この年パリ・オペラ座は創設350年を迎える大事な節目で世界中の注目が集まったのでした。

今回はオペラ。杉本はオペラの美術を担当するのは意外にも初めてだそう。モーツァルトと同時代に生きたイタリアの建築家・考古学者であるジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ(1756-1791)が残した多くの版画をフィーチャーします。伝説上のドン・ファン(ジョヴァンニ)は17世紀スペインの劇作家が生み出した稀代の女たらしというキャラクターですが、モーツァルトが生きた時代に実際に目にしたであろう景色、そしてその中でイメージしたドン・ジョヴァンニが舞台に現れ出ることになるのかもしれません。

衣裳にも注目です。ファッション界のカリスマ、スタイリストであり「ARTS&SCIENCE」のクリエイティブ・ディレクターのソニア・パークとデザイナー、ウィリアム・オウェソンが担当します。現代のファッションを知り尽くしている衣裳チームと18世紀のピラネージの版画をモチーフにする杉本の美術との邂逅、どんなケミカルが生まれるのでしょうか。

指揮の鈴木優人と演出の飯塚励生が
さらに強固なチームワークで臨む

指揮者の鈴木優人とワールドワイドに活躍する古楽器アンサンブル、バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)、そして演出家の飯塚励生は第1弾でもタッグを組んでいます。深い考察と現代性を兼ね備えた今考えうる最高の《ドン・ジョヴァンニ》を披露してくれるのです。けれども決して堅苦しくなく、幅広い層にアピールする楽しい舞台に違いありません。

前回に引き続き出演するソリスト、ドンナ・アンナの森麻季、レポレッロの平野和もいます。そしてBCJとの共演も多い加耒徹はマゼット役で出演します。ドン・オッターヴィオは山本耕平、ツェルリーナは高橋維が務めます。

ドン・ジョヴァンニにはクリストフ・フィラー、ドンナ・エルヴィラにはカリーナ・ゴーヴァン、騎士長にディングル・ヤンデルを海外から迎えます。

前回以上のプロダクションとしての結束力、成熟、さらなる芸術性に期待が高まります。

《ドン・ジョヴァンニ》は喜劇的な部分もありますがとても重くシリアスな内容でもあります。今回のプロダクションではそれぞれの人物のキャラクターの描き方が気になります。特にドン・ジョヴァンニはどのような人物として私たちの前に現れるのでしょうか。これまでにもドン・ジョヴァンニはさまざまな解釈がされており、それだけ深く掘り下げずにはいられない人物なのです。

美しいアリア、重唱も聞きどころ満載です。

新制作の舞台を楽しみに劇場へ出かけましょう。


ORCHARD PRODUCE 2025
高砂熱学 PRESENTS
鈴木優人&バッハ・コレギウム・ジャパン×杉本博司 with G.B.Piranesi 

オペラ《ドン・ジョヴァンニ》
開演
2025年2月20日(木) 17:00
21日(金) 17:00
23日(日・祝) 14:00
24日(月・祝) 14:00

会場:めぐろパーシモンホール 大ホール

チケット料金 :25,000~11,000円
詳しくは:Bunkamura

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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