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プレビュー:1月20日(金)公開 英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23『ラ・ボエーム』

2022年1月20日(金)公開
英国ロイヤル・オペラ・ハウス
シネマシーズン2022/23

『ラ・ボエーム』

いつの時代も永遠にみずみずしい青春の日々

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23で『ラ・ボエーム』が上映されます。

本作は2017年に英国ロイヤル・オペラにて初演されたリチャード・ジョーンズ演出のプロダクションです。大胆な読み替えはなく、台本の通りオーソドックスな演出で、プッチーニが原作に共感しオペラ化したイメージが丁寧に描かれています。


舞台は19世紀のパリ。カルチェ・ラタン近くの古いアパートの屋根裏部屋に詩人ロドルフォと画家のマルチェッロが住んでいます。暖を取るための薪がなくて自分の書いた詩の紙を燃やすほどの貧乏生活。このアパートには音楽家ショナール、哲学者コッリーネなども住んでいて、みなとにかく貧しく夢を糧に生きている若者たちです。

ロドルフォのところに階下に住んでいるお針子のミミが火を借りにやってきます。ミミはロドルフォの部屋で鍵を落とし、二人で探すうちに恋が芽生えます。

ところがミミは重い病におかされており、二人の恋はうまくいかずお互い好きなまま別れますが、最後はミミが亡くなってしまうという悲劇です。

素晴らしいキャスト

ロドルフォ(フアン・ディエゴ)とミミ(アイリーン・ペレス)


ロドルフォは、大スター、テノールのフアン・ディエゴ・フローレスが演じています。光り輝く声の美しさは健在、ハイC(高音のドの音)も軽々クリアしています。そしてミミ役にはソプラノのアイリーン・ペレスです。

ペレスは演技も素晴らしく、ミミが本当に健気で、一途にロドルフォを思っていることが伝わり胸を打たれます。第1幕での二人の出会いから恋に落ちるまで、ロドルフォの「冷たい手を」とミミの「私の名はミミ」という名アリアが歌われる場面は、美しく感動的なシーンとなっています。

マルチェッロ(アンドレイ・ジリホフスキー)とムゼッタ(ダニエル・ドゥ・ニース)


もうひと組のカップル、画家のマルチェッロには容姿端麗なバリトン、アンドレイ・ジリホフスキー。ムゼッタはダニエル・ドゥ・ニースが演じています。ドゥ・ニースの生命力あふれる力強いムゼッタは迫力があり存在感抜群です。

この作品が元になり現代に読み替えた『レント』というミュージカルが1986年に初演されました。お金も地位もない、まだ何者でもない、夢だけを追って生きる若者たちは現代でも18世紀末のパリでも同じです。せつない青春群像を描いた美しいオペラをご堪能ください。

画像©2020-ROH. Photograph by Tristram Kenton


英国ロイヤル・オペラ・ハウス
シネマシーズン2022/23『ラ・ボエーム』
2022年1月20日(金)〜26(木)
会場:TOHOシネマズ日本橋、ほか

上映開始時間:劇場による

★ チケット料金
一般・シニア:3,700円
学生・小人:2,500円

詳しくは:東宝東和/英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン


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エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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