プレビュー:2022年7月13(水)~17(日)東京二期会『パルジファル』

東京二期会『パルジファル』

二期会創立70周年記念、ワーグナーの神聖で格式高い名作を宮本亞門が手掛けます

「神聖祝祭劇」とワーグナー自ら名付けた宗教劇『パルジファル』。聖杯伝説を題材にしたワーグナー最後の作品で、かつてはバイロイト祝祭歌劇場でしか上演を許されず、禁じられてはいないものの幕間の拍手は慎んだ、という非常にストイックな作品です(今は世界中の歌劇場で上演され、拍手もされています)。今回は東京二期会とフランス国立ラン歌劇場との共同制作で宮本亞門が演出しています。

フランス国立ラン劇場では2020年1月に上演されました。世界中がコロナ禍になる直前です。そして2年半の時を経て東京での初演が実現することになります。

今だからこそ感じることがある 救済の物語

宮本亞門が設定した舞台は「ヒューマニティ」をテーマにした展覧会が行われている美術館。そこから「生きる意味」を考え「生きる苦しさ」を感じている人を癒し救済する、というドラマはどのように展開していくのでしょうか。

宮本亞門が二期会の公演の演出を手掛けて20年になります。『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』『魔笛』のモーツァルト主要オペラ4作品、『金閣寺』『蝶々夫人』といった作品を演出してきましたが、ワーグナー作品は初めてとなります。演奏は読売日本交響楽団、そしてバイロイトも経験している常任指揮者のセバスティアン・ヴァイグレがタクトを振ります。

ワーグナーの作品中でも特に『パルジファル』はリラックスして気軽に楽しむ、という類のものではありません。けれどもすでにラン劇場での上演で成功を収めたお墨付きのプロダクションです。今回のダブルキャストも素晴らしく大いに期待できます。コロナ禍を経験した私たちが、今『パルジファル』を鑑賞することで何かしらこれまでにないような感情が湧き起こったり、新たな気づき、発見を得られるかもしれません。


7月13日(水)、14日(木)、16日(土)、17日(日)
会場:東京文化会館 大ホール

開演:13日(水)17時・14日(木)14時・16日(土)14時・17日(日)14時
チケット料金:6000円~20000円
詳しくは:東京二期会

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エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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