• HOME
  • おすすめバレエ
  • 古典バレエの代表作『眠れる森の美女』の魅力を紐解く|2023年は4バレエ団が上演する”眠り豊作の年”

古典バレエの代表作『眠れる森の美女』の魅力を紐解く|2023年は4バレエ団が上演する”眠り豊作の年”

目次

4 第3章 典雅なパ・ド・ドゥ、ディヴェルティスマン

第3幕は、オーロラ姫とデジレ王子の結婚式の場面です。

ペロー童話に出てくるキャラクターや宮廷の人々、そしてオーロラ姫とデジレ王子が華々しく踊るディヴェルティスマンの形式となっています。

※ディヴェルティスマンとは……物語の筋とは関係なく踊られる踊りのこと

4.1 約束されたプリンセスの幸せを象徴するパ・ド・ドゥの振付・特徴

第3幕での一番の見せ場は、オーロラ姫とデジレ王子のグラン・パ・ド・ドゥです。

しっとりとした音楽から始まり、お互いの手を取りながら踊る姿は、まるで100年の空白の時間を語り合いながら埋めているかのよう。踊りの中にマイムも取り入れられており、2人が愛を誓っている姿を見ることもできます。

後半になるにつれ、徐々に音楽は盛り上がりを見せますが、派手なリフトはなく、あくまでも姫と王子の上品さを失うことはありません。

それぞれのバリエーションでは、デジレ王子は茨だらけのお城に切り込んでいく勇敢さを、オーロラ姫は姫としての美しさや上品さを表すような振付になっています。

コーダでは回転やジャンプが取り入れられ、盛り上がります。今後、国が発展していくような明るい未来が想像できる華やかさです。

4.2 貴族が夜毎の宴で大掛かりな余興を楽しむかのようなキャラクター満載のディヴェルティスマン

第3幕は、青い鳥とフロリナ王女のグラン・パ・ド・ドゥやオオカミと赤ずきん、宝石の精など、数々のペルーの童話のキャラクターが登場し、結婚のお祝いをします。

次々と童話の世界が踊りによって表現され、まさに豪華絢爛。これほど華やかな踊りが多いのは『眠れる森の美女』ならではです。

中でも、青い鳥とフロリナ王女のグラン・パ・ド・ドゥは、若手の活躍の場として注目されることが多く、ガラ公演などでも単独で上演される人気の踊りです。

4.3 ダンサーに求められる表現力、テクニック、解釈

『眠れる森の美女』を踊るダンサーに求められることは、まず体力です。

全3幕の長い作品ですので、全体を通して踊りきる体力や筋力が要求されます。

また、『眠れる森の美女』はお城の中でのお話。オーロラ姫やデジレ王子、リラの精などには品位や優雅さが必要になります。日常を生きる”自分”では絶対にダメなのです。

踊りだけでなく、マイムや歩き方、ちょっとした所作にも品位や優雅さが求められるところが『眠れる森の美女』の難しい部分だといえるでしょう。

5 第4章 『眠れる森の美女』の人気の秘密と魅力 見どころ

初演から一世紀以上経った今でも愛される『眠れる森の美女』。現代人が感じる”眠り”の魅力とは何なのでしょうか。

『眠れる森の美女』の人気の秘密と魅力に迫りましょう。

5.1 ディズニー映画に通ずるプリンセスのハッピーエンド

ペローの童話『眠れる森の美女』は、ディズニーの長編アニメーション映画にもなっています。

ストーリーや登場人物に多少の違いはあるものの、バレエ同様、王子のキスによって魔法が解け、2人は結ばれるというハッピーエンドです。

チャイコフスキー三大バレエのひとつ『白鳥の湖』や、シェイクスピアの代表的な悲劇『ロミオとジュリエット』のようにバッドエンドは待っていません。

カラボスに呪われたり、錘に指されて眠りについたりする悲しい/怖いシーンはあっても、最後はほとんどの演出でハッピーエンドです。

「どんなことがあっても最後は必ず幸せが待っている」というディズニー映画にも通ずるハッピーエンドも『眠れる森の美女』が人気の理由のひとつでしょう。

5.2 全幕上演できるのは大カンパニーの証拠

『眠れる森の美女』は、とにかく登場人物が多いことが特徴です。

オーロラ姫、デジレ王子、リラの精、カラボス、妖精たち、王・王妃、第3幕のキャラクターなど、実力のあるダンサーが多数必要になります。

そのため、全幕を上演できるのはカンパニーが大きい証拠。また、豪華絢爛な美術や衣装を用意できるという意味でも、カンパニーの経済力や集客力が試されます。

5.3 新制作版にみる現代性とは

冒頭でも紹介したとおり、2023年は、K-BALLET TOKYO、東京バレエ団、NBAバレエ団、牧阿佐美バレヱ団の4団体が『眠れる森の美女』を上演します。

このうち、K-BALLET TOKYO、東京バレエ団は新制作です。

5.3−1 K-BALLET TOKYO

2023年に上演される『眠れる森の美女』の中でも、熊川哲也氏率いるK-BALLET TOKYOの『眠れる森の美女』は同団25周年を飾る”新たな眠り”。ストーリーも我々が知っているものとは、かなり異なります。

フロレスタン王国の姫君オーロラが誕生した祝いの宴。親交の深い4つの国の王夫妻と子供たち(のちに姫の婚約者候補)、各国を守護する妖精たちが招待されている。そこへ、会に招かれず激怒した隣国の君主カラボスが乱入。「姫は成長したら命を落とす」と予言するが、フロレスタン国の守護妖精リラはカラボスを杖に封じ込め、平穏を守る。

まもなく16歳を迎えるオーロラ。森で楽しいひとときを過ごしていると、狼が現れ、姫を襲う。それを助けたのは、通りかかったデジレ王子。たちまち惹かれ合った二人は、再会を約束して別れる。だが、その直後、カラボスの手下である赤ずきんに森の奥深くへと誘い込まれた王子は、封印されていた杖を引き抜き、カラボスを復活させてしまう。姫を殺めるよう王子に呪いをかけるカラボス。

オーロラ姫の誕生日。婚約者候補の王子たちの中にデジレの姿を見つけた姫は、森で会った時とは別人のような彼に戸惑う。カラボスに操られている王子は危険な魅力で姫を惑わし、死へ導いてしまう。やがて呪いが解け、自らの行いを悔やむ王子。姫を助ける術はあるのか、果たして……。

引用:https://www.k-ballet.co.jp/performance/2023sleepingbeauty.html

衣裳デザインには、ボリショイ劇場など世界の劇場で活躍するデザイナー アンゲリーナ・アトラギッチ氏を起用し、古典作品の中に現代的センスをプラスします。

美術デザインは、METなど一流オペラ劇場の舞台美術を手がけてきたダニエル・オストリングです。

公演情報

【日程】
2023年10月8日〜9日、14日〜15日、24日〜29日、11月3日、7日

【開演時間・会場】
■ [東京]Bunkamuraオーチャードホール
10月8日(日)16:00
10月9日(月祝)14:00
10月14日(土)18:30
10月15日(日)13:00

■[東京]東京文化会館 大ホール
10月24日(火)14:00
10月25日(水)14:00
10月26日(木)14:00/18:30
10月27日(金)14:00
10月28日(土)12:00/16:30
10月29日(日)13:00

■[大阪]フェスティバルホール
11月3日(金祝)12:00/16:30

■[福岡]福岡サンパレスホテル&ホール
11月7日(火)18:30

【チケット料金】
■東京
S席〜C席:17,000円〜7,000円
※東京文化会館のみD席(5,000円)あり
※学生券(4,000円)あり

■大阪
S席〜C席:17,000円〜7,000円
※学生券(5,000円)あり

■福岡
S席〜B席:17,000円〜9,000円

詳しくは:K-BALLET TOKYO

5.3−2 東京バレエ団

東京バレエ団の『眠れる森の美女』は、創立60周年記念シリーズ2として新制作を披露します。

2015年より同団の芸術監督に就任した斎藤友佳理氏のもとでは、これまで『白鳥の湖』『くるみ割り人形』の新制作がなされ、本年公開の『眠れる森の美女』は、新制作・チャイコフスキー三大バレエの集大成を締めくくる作品となります。

古典バレエを受け継ぎつつ、斎藤氏が踊った経験にもとづく気付きを新たに加え、現代の『眠れる森の美女』が披露される予定です。

公演情報

【日程】
2023年11月11日(土)、12日(日)、17日(金)、18日(土)、19日(日)
11月23日(木祝)、26日(日)、28日(火)

【開演時間・会場】
■[東京]東京文化会館
11月11日(土)、12日(日)、18日(土)、19日(日):14:00
11月17日(金):13:30

■[静岡県浜松市]アクトシティ浜松・大ホール
11月23日(木祝)15:00

■[神奈川県横須賀市]横須賀芸術劇場・大劇場
11月26日(日)15:00

■[大阪府堺市]フェニーチェ堺・大ホール
11月28日(火)18:30

【チケット料金】
■[東京]
S席〜E席:14,500円〜3,000円

■[浜松]
S席〜D席:12,000円〜3,000円

■[横須賀]
S席〜E席:12,000円〜3,000円

■[堺]
S席〜D席:12,000円〜3,000円

※U25シート、ペア割引、親子割引などあり

詳しくは:NBS

5.3−3 NBAバレエ団

NBAバレエ団では、2022年に初上演した『眠れる森の美女』を上演予定です。

見どころを凝縮し、通常3時間以上となる公演時間を2時間に短縮し、最初から最後まで飽きずに楽しめます。

豪華絢爛な『眠れる森の美女』にふさわしく、主役の衣裳は2022年の初上演の際に新規制作されたものです。

きらびやかな世界をギュッと凝縮したNBAバレエ団の『眠れる森の美女』は、小さなお子様も最後まで楽しめるのではないでしょうか。

公演情報

【日程】
2023年11月18日(土)

【開演時間・会場】
開演時間:11月18日(土)17:00
会場:秩父宮記念市民会館 大ホールフォレスタ

【チケット料金】
S席:6,000円
A席:5,000円

詳しくは:NBAバレエ団

5.3−4 牧阿佐美バレヱ団

牧阿佐美バレヱ団の『眠れる森の美女』は、オーロラ姫に英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパルのマリアネラ・ヌニェスを、フロリモンド王子に同団プリンシパルのワディム・ムンタギロフを、王妃/カラボスに同団のプリンシパル・キャラクター・アーティストであるエリザベス・マクゴリアンを迎えた豪華キャストで上演されます。

リラの精やフロリン王女、ブルーバード、宝石などは、牧阿佐美バレヱ団のプリンシパル、ソリストが踊り、世界的なダンサーとの豪華共演を繰り広げます。

公演情報

【日程】
2023年12月2日(土)、12月3日(日)

【開演時間・会場】
開演時間:両日とも15:00
会場:東京文化会館 大ホール

【チケット料金】
GS席〜D席:18,000円〜5,000円
U25:3,000円

詳しくは:牧阿佐美バレヱ団

6 2023年は『眠れる森の美女』が豊作!会場で古典バレエの素晴らしさを堪能しましょう

不朽の古典バレエ『眠れる森の美女』の魅力や見どころ、2023年の公演情報を紹介しました。

先述のとおり、2023年はK-BALLET TOKYO、東京バレエ団、NBAバレエ団、牧阿佐美バレヱ団の4団体が『眠れる森の美女』を上演します。

10月〜12月に集中して上演されるため、各バレエ団の眠りを見比べるのも楽しいかもしれません。

『眠れる森の美女』は、総合芸術であるクラシックバレエの魅力を存分に楽しめる作品です。生で鑑賞することで、バレエ・音楽・衣裳・美術が調和する素晴らしさをより一層感じられるでしょう。

ぜひ会場に足を運び、古典バレエの代表作『眠れる森の美女』の魅力を堪能しましょう。

次のページ:2.内容|3.内容|4.内容

バレエ歴21年・とあるバレエ教室の現役生徒のまいです! 大好きなバレエの魅力や作品についてご紹介していきます♩

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。