恩田陸『蜜蜂と遠雷』×J.S.バッハ『平均律クラヴィーア曲集 第一巻』~小説を彩るクラシック#30
映画化もされた4人の主人公の物語!恩田陸『蜜蜂と遠雷』
恩田陸
「ノスタルジアの魔術師」と称される人気作家 恩田陸は、1964年に青森県青森市に生まれました。 転勤による引っ越しが多い少女時代でしたが、クラシック音楽と本に囲まれた環境の中、ピアノを学び、様々な読書体験から豊かな感性を育んでいきます。 大学ではビッグバンドのオーケストラに所属(担当楽器はアルト・サックス)しながら、ミステリー研究のサークルに所属していました。
『六番目の小夜子』で作家デビュー。『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞を受賞。『ユージニア』で日本推理作家協会賞を受賞。『中庭の出来事』で山本周五郎賞を受賞します。
2017年には『蜜蜂と遠雷』で、史上初となる直木賞と本屋大賞のダブル受賞。 ファンタジー、ミステリー、青春、ホラー、コメディと様々な作風の小説を執筆、独自の幻想的な世界観を描き、幅広い読者層に受け入れられています。
『蜜蜂と遠雷』
3年ごとに開催される芳ヶ江(よしがえ)国際ピアノコンクールを舞台にした青春小説であり、構想に12年、取材に11年、執筆7年という大作で、映画化もされ、累計発行部数は150万部を突破しました。
圧巻なのは物語に登場する曲の数と、描写力。 コンクールの中で様々なコンテスタントがピアノを弾くのですが(ベートーヴェン、ショパン、シューマン、リスト、ブラームス、サン=サーンス、ラフマニノフ、サティ、ドビュッシー、バルトーク、プロコフィエフ……)、その描写が素晴らしく、音楽を愛している作者ならではの精緻かつ情熱的な文章に惹きこまれていきます。
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