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プレビュー:東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ「ゲーテの『ファウスト』の情景」12月6日(日)〜12月12日(土)東京芸術劇場コンサートホール

19世紀ドイツの偉大な芸術家、ゲーテとシューマンの邂逅
セミ・ステージ形式で上演が実現

昨年度公演『ファウストの劫罰』より撮影:堀衛

ゲーテの『ファウスト』を題材にした壮大な声楽作品

『ファウスト』を題材にした声楽作品を、シューベルト、ベルリオーズ、ワーグナー、グノー、リストなどなどたくさんの作曲家が残しています。

シューマンは、約10年かけて独唱、合唱、管弦楽のためにスケールの大きな作品として作曲しました。序曲と3部からなる構成で、その規模の大きさから頻繁に上演される作品ではありません。

登場人物が個々の心情を歌う独唱と、第3部の物語の世界観、精神性を表現する壮大な合唱が聴きどころです。

オペラのように登場人物が心情を歌い、オラトリオのように合唱が物語の精神的な世界を表現する、両者の性格をあわせ持った作品です。シューマンの死後、6年経った1862年に全曲初演されました。

『ファウスト』の世界を真摯に表現

作品は序曲と3部の構成になっています。

第1部:グレートヒェンの悲劇
『ファウスト』の第1部にあたります。グレートヒェンの不安、祈り、そして救済の渇望といった内面の葛藤が歌われます。

第2部:ファウストの更生と死
『ファウスト』の第2部にあたります。最初の第4景「アリエル、日の出」は天使アリエルに率いられた妖精たちの合唱、それに続き更生を誓うファウストのシーンで、この作品のクライマックスです。

第3部:ファウストの救済
ファウストの魂が救済へと導かれていきます。隠者の合唱、天使の合唱と前半に比べて音響の壮大さが際立ち、『ファウスト』の精神性のクライマックスとなります。終曲である「神秘の合唱」では「すべてうつろいゆくものは、たとえにすぎない」というゲーテの詩句が歌われ音楽も昇華します。

シューマンは結末のこの第3部から作曲に着手しました。クライマックスを先に音楽で表現してから物語全体の哲学性、精神性の構築に向かっていったのです。

この作品は、華やかなアリアの連続で声を楽しむオペラとは異なり、人間の内面を探り、魂の救済へと至る精神の道のりを味わう作品です。

今回はセミ・ステージ形式での上演で、映像と照明が加わり作品世界に没入できる演出が施されます。

指揮はセバスティアン・ヴァイグレ、管弦楽は読売日本交響楽団、合唱は二期会合唱団、児童合唱はNHK東京児童合唱団です。

上演機会は少ないですが、スケールが大きく精神性の高い声楽作品、シューマンの代表作品の一つです。

貴重な機会をお聞き逃しのないように。

12月12日(土)主なキャスト
ファウスト:大沼 徹
グレートヒェン:冨平 安希子
メフィストフェレス:狩野 賢一
アリエル:岸浪 愛学
マルテ:全 詠玉

12月13日(日)主なキャスト
ファウスト:小森 輝彦
グレートヒェン:竹多 倫子
メフィストフェレス:北川 辰彦
アリエル:市川 浩平
マルテ:松浦 友香


公演情報
12月12日(土)14:00開演
12月13日(日)14:00開演
会場:東京芸術劇場コンサートホール
チケット料金:18,000円〜6,000円、学生3,000円、U39 9,000円

詳しくは:東京二期会

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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