• HOME
  • 公演プレビュー
  • プレビュー:KAAT DANCE SERIES『Close Up -クローズ・アップ-』11月28日(土)〜29日(日)KAAT神奈川芸術劇場

プレビュー:KAAT DANCE SERIES『Close Up -クローズ・アップ-』11月28日(土)〜29日(日)KAAT神奈川芸術劇場

Close Up (c)Christophe-Raynaud-Delage

バッハの演奏と、解体される身体、リアルタイム映像が交差するダンス&コンサート

フランスの振付家ノエ・スーリエによる『Close Up -クローズ・アップ-』が神奈川芸術劇場にて上演されます。アンジェ国立現代舞踊センターのダンサーが出演する、2024年のアヴィニョン演劇祭で世界初演されたこの作品は、J.S.バッハ『フーガの技法』の音楽、6人のダンサー、そしてリアルタイム映像が舞台上で交差するいわばダンス&コンサートで音楽を聴き、身体を観るという観客の五感を刺激する作品です。

作品の見どころ

Close Up (c)Alain-Scherer

作品の核となるのは、J.S.バッハが晩年に作曲した『フーガの技法』。対位法で書かれた14曲のフーガ、4曲のカノンからなる傑作です。『Close Up -クローズ・アップ-』では、『フーガの技法』から第1、第2、第3、第9、第11、第14と『無伴奏ヴァイオリンソナタ第 2番』のアンダンテを使用しています。

舞台上では、モード・グラットン率いる古楽アンサンブル「イル・コンヴィート」がライブ演奏を披露します。録音された音源ではないライブの演奏、そして踊るダンサーの身体が同じ時間と空間を共有することで、音楽とダンスの関係や相互作用がリアルに体感できるでしょう。

スーリエが探求するのは、身体の「動きそのもの」です。日常動作やスポーツ、武術などに見られる「打つ」「投げる」「かわす」といった身振りを細かな要素へと分解、重心、速度、方向、接触、力の変化を手がかりに、新たな動きとして組み替えていきます。

ある腕の動きによって重心が変わり、その変化が足を動かし、身体の傾きやバランスの崩れも次の動きへとつながっていきます。重力や床との関係、そして他のダンサーとの距離や接触も、次に続く動きを生み出す重要な要素です。6人の身体が互いに反応しながら複雑な関係を織りなしていく様と、バッハの対位法がどう絡むのか、注目です。

さらに作品後半では、リアルタイム映像が加わります。舞台上のダンサーの動きや表情がその場でスクリーンに映し出され、肉眼では処理しきれないわずかな身体の変化=身体のディテールがクローズアップされます。

音楽、ダンス、映像が交差することで、私たちは「身体がどのように動くのか」「動きがどのようにつながるのか」を新たな感覚で体験することになります。

ライブ演奏、ダンス、映像が一つの舞台上で出会う、珍しいダンス・コンサート。ノエ・スーリエが切り拓く、新たな身体と音楽の世界を、体験してください。


公演情報
11月28日(土)18:00開演
11月29日(日)15:00開演
会場:KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉
チケット料金:5800円(神奈川県民割引(在住・在勤):5,300円 / 障がい者割引:5,300円 / U24チケット(24歳以下):2,900円 / 高校生以下割引:1,000円 / シルバー割引(満65歳以上):5,300円)

詳しくは:KAAT

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。