ウクライナの小説家ブルガーコフ『運命の卵』×チャイコフスキー オペラ『スペードの女王』、『エヴゲーニイ・オネーギン』~小説を彩るクラシック#23
『運命の卵』
1924年に『運命の卵』は執筆されました。
翌年に文芸誌に掲載され大変な人気となりますが、版を重ねることなく、やがて人々から忘れ去られていきました。
ストーリー
モスクワ動物研究所の所長で、爬虫類の権威ヴラディミール・イパティエヴィチ・ペルシコフは、顕微鏡でアメーバの観察中に、ある「光線」を発見します。
大学講師で、ペルシコフの助手でもあるイワノフと協力して研究したところ、この赤い光線には生物の成長を促進させる効果があることがわかりました。
世紀の発見に雑誌や新聞社は騒ぎ立て、ペルシコフのもとに取材依頼が殺到しますが、ペルシコフはそれらに頓着せず、自身の研究に没頭していきます。
この赤色光線の効果は凄まじく、カエルの卵を使った実験では、本来は2週間ほどかかるところを二昼夜で卵が孵化してオタマジャクシになり、2か月ほどかかるところを24時間でカエルへの成長を遂げました。
ただ、この光線の作用なのでしょうか、赤い光を浴びたカエルたちは獰猛で、凶悪な性質となり、共食いをはじめてしまいました。
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