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音楽と踊りを純粋に楽しむ抽象バレエ『シンフォニー・イン・C』の構成や制作経緯を解説|23年1月に新国立劇場バレエ団で上演予定

3. バレエ『シンフォニー・イン・C』の制作経緯

バレエ『シンフォニー・イン・C』は、元々、パリ・オペラ座バレエ団のためにジョージ・バランシンが振り付けた作品です。

『シンフォニー・イン・C』の制作経緯や現代での上演について紹介します。

3.1 1947年 パリ・オペラ座バレエ団での初演ー『水晶宮』として


1947年、当時芸術監督が不在であったパリ・オペラ座バレエ団が、ゲスト振付家としてバランシンをまねき、振付を依頼したことに端を発します。

バランシンはパリ・オペラ座バレエ団のための新作として、フランス人作曲家の音楽に振付を行おうと考えました。
バレエ・リュス時代からの長い付き合いである作曲家ストラヴィンスキーが、フランス人作曲家ビゼーの「交響曲ハ長調」をバランシンに教え、バランシンはわずか2週間で振付を行ったと言われています。

当初は台本があったものの、バランシンは台本の使用をとりやめ、各楽章のエトワールの衣装をそれぞれ、宝石をコンセプトに赤・青・緑・白としました。
このコンセプトは、1967年初演のバランシン作品『ジュエルズ』に通ずるものです。
初演時のタイトルは『水晶宮』(Le Palais de cristal)。舞台装置に使われた水晶のブーケが由来と言われています。

3.2 1948年 ニューヨーク・シティ・バレエ団での初演ータイトル改変


パリ・オペラ座バレエ団での初演の翌年、バランシンはタイトルを『水晶宮』から『シンフォニー・イン・C』に変え、バレエ・ソサエティ(現在のニューヨーク・シティ・バレエ団)で上演しました。

この際に、カラフルな衣装をやめ、女性は白のチュチュ、男性は黒の衣装に変更されています。

カラフルな衣装や意味のあるタイトルをなくすことで、物語や意味ではなく音楽をバレエで表すことに注力したのです。

3.3 現代での上演

現在でも、『シンフォニー・イン・C』は、ニューヨーク・シティ・バレエ団や英国ロイヤルバレエ団、パリ・オペラ座バレエ団(『水晶宮』として)など、世界中で上演されている人気のバランシン作品です。

日本では、新国立劇場バレエ団と東京バレエ団(『水晶宮』として)がレパートリーとしています。

新国立劇場バレエ団は、2023年1月に行われる「ニューイヤー・バレエ」において、『シンフォニー・イン・C』を上演予定です(詳しくは後述)。

次ページ:『シンフォニー・イン・C』の衣装/アブストラクトバレエについて

バレエ歴21年・とあるバレエ教室の現役生徒のまいです! 大好きなバレエの魅力や作品についてご紹介していきます♩

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