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音楽と踊りを純粋に楽しむ抽象バレエ『シンフォニー・イン・C』の構成や制作経緯を解説|23年1月に新国立劇場バレエ団で上演予定

6. バランシンによるそのほかのアブストラクトバレエ

バランシンは『シンフォニー・イン・C』以外にも、素晴らしいアブストラクト・バレエ作品を残しています。

中でも著名な3作品を見ていきましょう。

6.1 『セレナーデ』

『セレナーデ』は、バランシンが創設したバレエ学校「スクール・オブ・アメリカン・バレエ」の生徒のために作られた作品です。1934年に初演されています。

全4部構成で、音楽にはチャイコフスキーの『弦楽セレナード ハ長調 作品48』が使われています。(ただし、原曲の第3楽章と第4楽章を入れ替えています)

振付の際、途中で男子生徒が現れたため男性のパートを追加したり、女子生徒が倒れたことを振付に盛り込むなど、振付時のエピソードが盛り込まれているのが特徴です。

現在はニューヨーク・シティ・バレエ団をはじめとして世界各国で上演され、日本では、スターダンサーズ・バレエ団やKバレエカンパニー、瀬島五月氏が率いる関西のカンパニー「ウエストジャパン」などが上演しています。

6.2 『テーマとバリエーション』

テーマとバリエーション』は1947年に初演された作品です。

主役のダンサーは白の衣装、コール・ドのダンサーは青の衣装を身にまとい、チャイコフスキーの『管弦楽組曲第3番』にのせて踊られます。

バランシンがかつて過ごした帝政ロシアバレエへの敬意が込められており、『眠れる森の美女』や『白鳥の湖』の一場面が見え隠れするのが特徴です。

日本では新国立劇場バレエ団などがレパートリーにしており、テレビ放送もある「NHKバレエの饗宴」では、2017年に新国立劇場バレエ団による「テーマとバリエーション」が上演されたため、テレビで目にしたバレエファンも多いのではないでしょうか。

6.3 『ジュエルズ』

『ジュエルズ』は、バランシンがニューヨークの五番街で見た宝石に着想を得て作られたと言われる作品です。

エメラルド」「ルビー」「ダイヤモンド」の3部構成で、各部はフランス・アメリカ・ロシアのイメージとなっています。

現在は、マリインスキーバレエ団やパリ・オペラ座バレエ、英国ロイヤルバレエ団など世界各国で上演されています。

2023年6月に行われる英国ロイヤルバレエ団の日本公演では、『ジュエルズ』より「ダイヤモンド」が上演される予定です。

7. 2023年1月 新国立劇場バレエ団が『シンフォニー・イン・C』を上演

2023年1月13日〜15日に行われる新国立劇場バレエ団の「ニューイヤーバレエ」において、『シンフォニー・イン・C』が上演されます。

▼『シンフォニー・イン・C』予定キャスト ※敬称略 /1月10日出演者変更


『シンフォニー・イン・C』のほか、英国ロイヤルバレエ団のヤスミン・ナグディ、マシュー・ボールによる『眠れる森の美女』第3幕のグラン・パ・ド・ドゥ、アリーナ・コジョカル(ハンブルク・バレエ ゲストダンサー)、アレクサンドル・トルーシュ(ハンブルグ・バレエ)による『ドンジュアン』抜粋など、豪華な演目が予定されています。

ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。


『ニューイヤー・バレエ』
2023年1月13日(金)〜15(日)
会場:新国立劇場 オペラパレス

開演:13日(金)19:00
   14日(土)13:00 / 18:00
   15日(日)14:00

★ チケット料金
3,300円〜11,000円

※詳しくは下記リンクをご覧ください。
『ニューイヤー・バレエ』|新国立劇場 バレエ

次ページ:『シンフォニー・イン・C』まとめ、他の振付家によるアブストラクトバレエ

バレエ歴21年・とあるバレエ教室の現役生徒のまいです! 大好きなバレエの魅力や作品についてご紹介していきます♩

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