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プレビュー:新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』10月25日(金)〜11月4日(月・祝)新国立劇場オペラパレス

海外公演も予定にある2024-2025シーズンの開幕は
古典バレエの重厚な作品で華々しく

桁違いに大規模な『眠れる森の美女』

©鹿摩隆司

いよいよ新シーズンの開幕が近づいてきました。新国立劇場バレエ団は、2024-2025シーズンでは2025年7月に吉田都芸術監督がプリンシパルとして在籍していた英国ロイヤル・バレエの本拠地、英国ロイヤルオペラハウスにて『ジゼル』を上演することが決まっています。大きな挑戦となる今シーズン、最も大規模でカンパニーの層の厚さを見せつけるグランド・バレエ『眠れる森の美女』でシーズンを開幕させます。

たくさんの魅力的な登場人物
初役デビューとなるチャンスも

ルイ14世時代のフランスの絶対王政をモデルにしていると言われる『眠り』の舞台。王様、王妃様、そしてオーロラ姫、デジレ王子、とおとぎ話の定番のプリンス・プリンセスの他にも重要な登場人物(=ソロ場面のある役)、がたくさんいます。オーロラ姫の誕生の宴にてさまざまな妖精たちが贈り物をする中、手違いで招待されなかったカラボスが逆恨みしてオーロラ姫に、成人した際、針に指を刺して100年の眠りについてしまう呪いをかけてしまいます。

100年の眠りを覚ましたのはデジレ王子。最後の第3幕では華々しく二人の結婚式で大団円となります。

宮廷を脅かすカラボス、善の象徴リラの精をはじめとする妖精たち、結婚式のお祝いにかけつける赤ずきんちゃん、長靴をはいた猫、青い鳥、と登場人物がたくさんいます。それぞれ美しく印象的な音楽がつけられ、目と耳の両方が楽しく、終始ファンタジックなバレエを楽しめるのです。

登場人物が多いということは、ダンサーにとって、役がつくチャンスがあるということ。今回のキャストに注目しましょう。

随所に散りばめられた見どころ

©鹿摩隆司

見どころとしては、プロローグでは、オーロラ姫誕生を祝う、妖精たちのソロ。第1幕では「ガーランドの踊り(ワルツ)」、各国の王子が求婚する「ローズ・アダージョ」。第2幕では、ここで初めて登場するデジレ王子のソロ、リラの精がデジレ王子にオーロラ姫の幻影を見せる「幻影のシーン」、そして今回のイーリング版ならではのオーロラ姫が目覚めてからデジレ王子と踊る「目覚めのパ・ド・ドゥ」。第3幕では青い鳥をはじめとするディヴェルティスマン、そして最後にオーロラ姫とデジレ王子によるパ・ド・ドゥがあります。

休憩含め3時間15分という長丁場でありますが、見どころだらけなので圧巻のパフォーマンスをひたすら楽しみましょう。

オーロラ姫に佐々晴香と池田理沙子が登場

米沢唯の降板により、新たにオーロラ姫に二人、キャスティングされました。池田理沙子は新国立劇場バレエ団のファースト・ソリスト。これまでさまざまな作品で主役を踊っています。可憐なオーロラ姫に期待です。

佐々晴香は、スウェーデン王立バレエ、ノルウェー国立バレエのそれぞれプリンシパルとして在籍、2024〜2025シーズンからはベルリン国立バレエのプリンシパルになることが決まっている、素晴らしいキャリアの持ち主。海外で活躍しているので、日本で全幕の主役を見る機会は稀です。とても楽しみですね。

何度目かの『眠り』体験ならぜひ音楽に注目を

©鹿摩隆司

『眠り』チャイコフスキーが音楽を作った三大バレエのうちのひとつですが、この作品は、特にソロ部分やパ・ド・ドゥでなくても美しく心に残る旋律が散りばめられています。リラの精とカラボスのテーマなどはすぐに気づきますが、特に、城が眠りにつき森となった100年後にデジレ王子がオーロラ姫を目覚めさせる第2幕、オーケストレーションが素晴らしいです。音楽にもご注目ください。


新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』10月25日(金)〜11月4日(月・休)
会場:新国立劇場オペラパレス
公演
10月25日(金)18:30
10月26日(土)13:00(託児あり)/18:30
10月27日(日)14:00
10月29日(火)13:00
10月30日(水)13:00
10月31日(木)13:00
11月1日(金)18:30
11月2日(土)14:00
11月3日(日・祝)13:00(託児あり)、18:30
11月4日(月・休)14:00

チケット料金:14,850~1,650円 
詳しくは:新国立劇場

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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