プレビュー:東京バレエ団『海賊』

エンタテインメント性に富む
アンナ=マリー・ホームズ版

東京バレエ団の『海賊』はオリジナルのエディションです。セルゲイエフ版を基に世界中のバレエ団で芸術監督・指導者として、また振付家として活躍を続けるアンナ=マリー・ホームズによって2019年に振り付けられました。2021年には早くも再演され、今回また上演されることとなりました。
スペクタクル性抜群
現代的なエンタテインメント性に満ちた楽しい『海賊』

あらすじ
バレエ作品の『海賊』はロマン派の詩人バイロンの抒情詩が原作となっています。多くの版が存在しますが、いずれもストーリー仕立てには無理がある場合が多いとされています。その分、ダンスの見せ場が多く、鑑賞するのが楽しい作品なのです。
海賊の首領コンラッドと彼の部下であるビルバント、奴隷のアリを乗せた船が難破してしまいます。打ち上げられたところはトルコ軍が占領しているギリシャの島。彼らを見にきたギリシャ人の乙女たち、その中のメドーラとコンラッドは恋に落ちます。けれどもトルコ軍がメドーラたちを捕え、奴隷商人パシャに売り渡してしまいます。奴隷市場でメドーラを救い出したコンラッド、二人は洞窟へ行きます。
メドーラは奴隷となった仲間の娘たちを解放してほしいとコンラッドに懇願。でもコンラッドの部下のビルバントは彼女たちを手放したくありません。コンラッドに押さえつけられたものの仲間のランケデムと組んでコンラッドを欺いて……。
物語は急展開が続くのですが、コンラッドたちは海賊、メドーラやギュルナーラらはトルコ軍に占領されているギリシャの娘たち、セイド・パシャはトルコ総督、この相関関係がわかっていれば大丈夫です。
『海賊』は多くの男性ダンサーが大活躍する数少ないバレエ作品

登場人物たちに難度の高いスキルが求められること、そしてたくさんの男性ダンサーによる見どころが多いことから、この作品を上演できるバレエ・カンパニーはあまり多くありません。
舞台狭しと飛び回り跳ね回り、スピーディでエネルギッシュ、壮観な男性ダンサーたちがたっぷり楽しめます。
またガラ公演でよく取り上げられるメドーラとコンラッド、アリによる踊りは最大の見どころです。アリは物語的には役割は担っていないのですが、コンラッドに忠実であくまで奴隷であることを忘れない控えめな佇まい、それでいて作品中もっとも注目する見せ場で跳躍を披露する、という不思議なキャラクターです。
また第3幕でパシャが、美しい花園で踊るメドーラたちを夢見る、踊る花園のシーンも大変美しく魅了されます。
ミラノ・スカラ座の工房で制作された衣裳と美術装置が圧倒的な豪華さとスケール感を演出します。
ゲストを呼ばず東京バレエ団のダンサーのみで5キャスト組むことができる点にもご注目ください。
贅沢な舞台をたっぷり楽しむならこのホームズ版の『海賊』がおすすめです。
Photo by Kiyonori Hasegawa
公演情報
8月26日(水)19:00
8月27日(木)19:00
8月28日(金)19:00
8月29日(土)14:00
8月30日(日)13:00
会場:新国立劇場オペラパレス
チケット料金:18000円〜6000円
詳しくは:東京バレエ団









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