森絵都『アーモンド入りチョコレートのワルツ エリック・サティ<童話音楽の献立表>より』~小説を彩るクラシック#27
森 絵都『アーモンド入りチョコレートのワルツ エリック・サティ<童話音楽の献立表>より』
『アーモンド入りチョコレートのワルツ』
クラシック音楽をテーマに書かれた森絵都の短編集『アーモンド入りチョコレートのワルツ』。
一作目『子供は眠る』、二作目『彼女のアリア』に続くのが、エリック・サティの音楽をテーマにした表題作でもある『アーモンド入りチョコレートのワルツ』です。
短編集『アーモンド入りチョコレートのワルツ』のほかの作品はこちら
森 絵都『子供は眠る』
森 絵都『彼女のアリア』
ストーリー
ワルツには翼が生えている。音符のひとつひとつが翼を持っている。それはまるで妖精のように宙を舞い、しゃらしゃらと踊りながらわたしにいくつものキスをする。
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主人公は中学生の奈緒。
クリーム色の美しい洋館でピアノ教室を営む絹子先生の生徒です。
絹子先生は、奈緒のために<さんざん投げられてかわいそうなクッションのための即興曲>や、<癒されなかった奈緒ちゃんのための即興曲>なんていうデタラメなピアノ曲を披露したり、奈緒がピアノを弾く気分じゃないときには、UFOの話をしたり、一緒にお菓子を食べたりと、ちょっと変わった先生で、奈緒はそんな絹子先生のことが大好きでした。
エリック・サティを愛する絹子先生は、サティについて熱心に語り、奈緒はサティに対して関心をよせていきます。
奈緒には同じく絹子先生のもとでピアノを習う君絵という仲のいい友だちがいます。君絵はエキセントリックな少女で、レッスンに来ても漫画を読んだり、お菓子を食べたり、ピアノは弾かずに歌ばかり歌っているような女の子でした。
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