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プレビュー:新国立劇場バレエ『不思議の国のアリス』6月12日(木)〜6/24日(火) 新国立劇場オペラパレス

誰もが知るあの物語をバレエに

世界中で大ヒットした作品
エンタテイメントとしても秀逸

2011年、英国ロイヤル・バレエ団は16年ぶりに全幕バレエの新作を発表しました。原作はルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』、初演は大成功で大変注目を集めました。その後、カナダ国立バレエ、オーストラリア・バレエ団、ミュンヘン・バレエ、新国立劇場バレエ団がレパートリーに取り入れ、全幕の新作バレエ作品としては驚異の大ヒットとなり、公演のたびにたくさんの観客を動員しています。

ミュージカル、バレエ、オペラの分野でヒットを生み出している3人のクリエイターが制作

この作品を生み出したのは英国の気鋭のクリエイター3人です。振付はクリストファー・ウィールドン、彼は『パリのアメリカ人』等、ミュージカル作品の振付も手がけています。美術はボブ・クロウリーで、『回転木馬』『アイーダ』『ゴースト・オブ・ユートピア』『メリー・ポピンズ』『ワンス』といったミュージカル作品でトニー賞の最優秀装置デザイン賞を受賞しています。音楽はジョビー・タルボットが担当。映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』『SINGシング ネクストステージ』などを担当しています。エンタテイメントの最前線で活躍する英国人トリオが創作したバレエ作品ということで、クオリティの高さは抜群です。

このウィールドン、クロウリー、タルボットのトリオは『不思議の国のアリス』ののち、『冬物語』『赤い薔薇ソースの物語』という作品を英国ロイヤル・バレエのために作り、いずれもヒットさせています。

台本は英国ナショナルシアターで活躍するニコラス・ライト、

原作の『不思議の国のアリス』は言葉遊びを特徴としており、舞台化するのは困難と長らく言われてきました。このバレエでは、プロジェクション・マッピングを駆使して斬新なビジュアルを舞台に作り出しています。言葉のないバレエでも十分に物語の世界観を伝えているだけでなく、新たな視覚的刺激で観客を魅了します。

奇抜なキャラクター、原作より少し大人になりショートヘアがキュートな少女アリスも可愛らしく、誰もが舞台に釘付けになってしまうのです。

さらに物語に含まれるブラックな一面もしっかりハートの女王の世界で表現され、原作ファンはじめ、大人も楽しめます。

13公演、充実のキャスト

今回、英国ロイヤル・バレエから2人のプリンシパルがゲストとして出演します。

初演時、マッドハッター役を演じたスティーヴン・マックレーがマッドハッターとして登場。タップを含む複雑なステップを軽やかに見せてくれます。またアリスに高田茜が出演します。

4キャスト組まれ、それぞれ魅力的でどのキャストで鑑賞するか迷ってしまいます。

この作品は登場人物が多く、それぞれ個性が強いのに加え、難易度の高いテクニックもふんだんに盛り込まれているので見どころがたくさんあリます。さらに舞台は非常に色にあふれており、バレエ作品では考えられないほどカラフルな色の洪水なので圧倒されますが、それだけ満足度も高く、大人から子どもまでしっかり楽しめる稀有な作品なのです。

ぜひ、劇場で体験してみてください。


新国立劇場バレエ『不思議の国のアリス』
開演
6月12日(木) 19:00
13日(金) 13:30
14日(土) 13:00託児あり/18:30
15日(日) 14:00
17日(火)〜19日(木) 13:00
20日(金) 14:00
21日(土) 13:00/18:30
22日(日) 14:00託児あり
24日(火) 13:00

会場: 新国立劇場オペラパレス
チケット料金:18,150〜6,050円

詳しくは:新国立劇場バレエ

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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