モーツァルト『魔笛』 初めてのオペラにもぴったりの愉快な冒険物語!

オペラ『魔笛』のあらすじ

魔笛あらすじ
✳︎ 第1幕 ✳︎

舞台はエジプト、ラムセスの時代。

タミーノ王子の衣装はなぜか日本の狩衣である。『魔笛』初演時は鎖国中だった日本は、ヨーロッパから見れば神秘の国だった。


タミーノ王子は大蛇に襲われるが、夜の女王の三人の侍女に救われる。
その縁から、夜の女王はタミーノに「悪魔ザラストロに誘拐された娘パミーナを助けてほしい」と頼む(一度目の夜の女王のアリア)。

タミーノは依頼を受け、女王から配下の三人の童子と、「私が大蛇を倒した」とうそぶいたお調子者パパゲーノをお供につけられる。タミーノには魔法の笛、パパゲーノには魔法の鈴が与えられる。

ザラストロの神殿で、奴隷頭モノスタトスから逃げているパミーナにパパゲーノが鉢合わせて合流する。
一方、タミーノはザラストロの神殿で神官と話し、本当に悪人なのは夜の女王であることをほのめかされる。

タミーノが魔法の笛を吹くと、パパゲーノ、パミーナにも音色が届き、二人はタミーノのもとへ向かう。モノスタトスも笛の音を聴きつけてパミーナを捕らえようとするが、パパゲーノが魔法の鈴を鳴らすとその場のみんなが魔法で踊りだし、窮地を脱することができる。

外出から帰ってきたザラストロのもとに、パパゲーノ、パミーナが来る。パミーナはモノスタトスに言い寄り迫られたために逃げたことをザラストロに詫びる。
モノスタトスが意気揚々とタミーノを捕らえザラストロのもとへ連れてくるが、モノスタトスは罰を受ける。

タミーノとパミーナは初対面で惹かれ合い、ザラストロは、タミーノとパパゲーノに試練を受けさせることを告げる。

魔笛あらすじ
✳︎ 第2幕 ✳︎

タミーノはザラストロを信頼し、試練を受けることを決める。ザラストロは「エジプトの神々がタミーノとパミーナの結婚を定めた。私は悪しき母親の元からパミーナを救うように神々に定められた」という。

パパゲーノは試練を受けようとしないが、試練を乗り越えればお嫁さんが得られると言われて奮い立つ。

ザラストロが祈りを捧げる冥界の男神オシリスと、豊穣の女神イシス。二柱は夫婦とされる。


夜になるとパミーナの元に、横恋慕するモノスタトスが来て一方的な思いを歌う(『誰でも恋の喜びを知っている』)。続けて夜の女王がやってきたので、モノスタトスは隠れる。
夜の女王はパミーナに「ザラストロを刺し殺せ、できなければ絶縁だ」と短剣を渡して命じる(二度目の夜の女王のアリア)。

事情を知ったモノスタトスは、パミーナを脅し、彼女を我が物にしようとするが、ザラストロに見つかって追放され、裏切りを決意する。
パミーナが母からの命令をザラストロ本人に相談すると、「この神殿に復讐などない」と諭す。

タミーノとパパゲーノは「沈黙の試練」を課せられ、女性と喋ることを禁じられる。パパゲーノはついつい禁を破り喋ってしまうなかで、老婆に「私の恋人はパパゲーノだ」と言われる。

パミーナがタミーノとパパゲーノに話しかけるが、二人は試練のため返事をしない。愛想をつかされ見捨てられたと思ったパミーナは絶望する。
タミーノは沈黙の試練を乗り越え、次の試練へ向かう。一方パパゲーノは落第し、置いていかれる。

置いていかれたパパゲーノに先の老婆が、「私と結婚を誓え、でなければ地獄行きだ」と脅してきたのでしぶしぶ結婚を誓うと、老婆が若い娘パパゲーナに変身する。パパゲーノは一瞬舞い上がるが、神官に収められ引き離される。

母の命令も嫌だが、愛したタミーノにも見放された、と思いつめたパミーナが自殺しようとする。童子が止めに入り、誤解を解いてタミーノからの愛を確かめる。
タミーノとパミーナは残る火の試練と水の試練に二人で臨み、魔法の笛の力を借りて乗り越える。

パパゲーノも、試練に失敗してパパゲーナを失ったと思い自殺しようとするが、童子が止めに入り、魔法の鈴を使うように告げる。魔法の鈴を鳴らすとパパゲーナが現れ、二人は幸せな将来を誓う(『パ・パ・パ』)。

夜の女王が、裏切ったモノスタトスに導かれて神殿を襲撃に来るが、雷鳴によって叶わない。皆がエジプトの神々を称えながら閉幕する。

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オペラハーツの編集とライターを兼任。 小中でピアノ教室に通い、中高では吹奏楽部で打楽器を担当した程度の演奏経験。 クラシック以外にロック、EDM、ボカロ、ゲーム音楽なども好んで聴く。

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