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見どころ満載のファンタジック・オペラ、オッフェンバックの『ホフマン物語』~あらすじや曲を紹介~

目次

オペラ『ホフマン物語』のあらすじ〜幻想的な3つの恋物語〜

オペレッタでパリっ子を楽しませてきたオッフェンバック。オペラ『ホフマン物語』には、聴衆を飽きさせない工夫がいっぱい!一話完結型の分かりやすい幕構成に、キャッチーなメロディが随所に織り込まれています。

オペラ『ホフマン物語』ではソプラノが3人の恋人を演じますが、同じく恋人役の3ソプラノが登場するモーツァルトのオペラ『ドン・ジョバンニ』が、ホフマンがいる酒場の隣の劇場で進行中という設定。裏では現在の恋人ステッラが『ドン・ジョバンニ』に出演中、表では過去の恋物語が進行するという、オペラの二重構成になっています。

それでは、あらすじを知って実際の劇を鑑賞してみましょう!

ホフマン物語 あらすじ
✳︎ 第1幕(プロローグ) ✳︎

1881年初演時のプロローグ場面のイラスト
ピエール・オーギュスト・ラミー画
出典:Wikimedia Commons

19世紀初頭のドイツ・ニュルンベルク。オペラ劇場に隣接するルーテルの酒場。劇場ではモーツァルトのオペラ『ドン・ジョバンニ』を上演中。

酒樽から、詩人ホフマンを守護する芸術の女神ミューズが現われます。ミューズは、恋愛にうつつを抜かしてばかりいるホフマンを芸術に専念させるべく、親友ニクラウスの姿になってホフマンを探しに行きます。

酒場の主人ルーテルが店の準備をしていると、プリマドンナのステッラに想いを寄せる上院議員のリンドルフが登場。ステッラの心がホフマンにあることを知って、彼女が出演中のオペラが終わるまでホフマンを見張ることにします。

ニクラウスを伴って酒場に現われたホフマン。「クラインザックの物語」を聞かせたりしながら、学生たちに過去の恋物語を話し始めます。

ホフマン物語 あらすじ
✳︎ 第2幕 オランピア ✳︎

1881年初演時のオランピアの幕のイラスト
ピエール・オーギュスト・ラミー画
出典:Wikimedia Commons


ドイツ・ベルリン、物理学者スパランツァーニ教授の邸宅。

ホフマンは科学者になるべく、スパランツァーニに弟子入りします。しかし本心は、教授の娘オランピア(自動人形)に逢いたい一心でした。ニクラウスが、「オランピアは人形だ」といさめるのも聞きません。

オランピアの目玉の代金を請求に来た不気味な人形師コッペリウスに、スパランツァーニは無価値な銀行手形で支払いをします。

スパランツァーニは邸宅に招待客を集め、オランピアを社交界デビューさせます。オランピアは「生垣に小鳥たちが」と見事に歌い、ホフマンがコッペリウスから買った魔法の眼鏡をかけると、血の通った人間のように優雅に見えるのでした。ホフマンはオランピアをダンスに誘いますが、オランピアのあまりの速さに投げ飛ばされ、魔法の眼鏡は割れてしまいます。

スパランツァーニがオランピアを奥に下がらせると、だまされたことに気付いて激怒したコッペリウスがオランピアを壊してしまいます。バラバラのオランピアを見て、やっと人形であることに気付いたホフマン。人形に恋したホフマンを、招待客たちがあざ笑います。

ホフマン物語 あらすじ
✳︎ 第3幕 アントニア ✳︎

1881年オペラ・コミック座初演の様子、ミラクル博士(エミール=アレクサンドル・タスカン)とアントニア(アデール・イザーク、兼オランピア)出典:Wikimedia Commons

ドイツ・ミュンヘン、顧問官クレスペルの屋敷。

クレスペルの娘で歌手のアントニアが、遠く離れたホフマンを想い「逃げてしまった、雉鳥は」と歌います。

アントニアの母は有名な歌手でしたが病で世を去り、娘への病気の遺伝を恐れた父はアントニアに歌うことを禁じていました。彼女の音楽的才能を開花させようとしていた、婚約者ホフマンからも逃れてきたのでした。

クレスペルの留守にホフマンは屋敷に忍び込み、アントニアと愛を誓いあいます。そこへアントニアの診察に、悪魔的な雰囲気の医師ミラクル博士が来訪。ミラクル博士がアントニアに薬と歌を勧めるので、クレスペルは必死に追い払います。立ち聞きしてアントニアの病を知ったホフマンは、歌わないよう頼み、彼女はそれを受け入れました。

一人になったアントニアに、ミラクル博士は「その才能で歌わずにおれるものか」と吹き込みます。母の亡霊も現われて歌うように誘います。アントニアは狂ったように歌って倒れます。クレスペルは泣き叫びながら、居合わせたホフマンを刺し殺そうとしますが、ニクラウスが阻止。その時ミラクル博士が、アントニアの死を宣告します。

ホフマン物語 あらすじ
✳︎ 第4幕 ジュリエッタ ✳︎

1881年初演時のジュリエッタの幕のイラスト
ピエール・オーギュスト・ラミー画
出典:Wikimedia Commons

ゴンドラが行き交う水の都、イタリア・ヴェネツィア。

高級娼婦ジュリエッタとニクラウスが、夢見るような二重唱「舟歌(バルカロール)」を歌います。

ジュリエッタの館でカード賭博に興じるホフマン。ニクラウスが連れ出そうとしても聞きません。
魔術師ダペルトゥットのダイヤに魅せられたジュリエッタは、ホフマンを誘惑してその鏡像を盗むことをダペルトゥットに約束します。ジュリエッタは、情夫シュレミールが持っている鍵を奪ってほしいとホフマンに頼み、2人は決闘になります。

シュレミールを殺し、鍵を持って戻ったホフマン。ジュリエッタは逃げるように促し、形見にホフマンの鏡像を所望します。

ジュリエッタに鏡像を差し出し巨大な鏡に向き合うと、鏡にはホフマンの姿が映っていませんでした。ダペルトゥットの高笑いの中、ジュリエッタは下男のピティキナッチョと逃亡。ホフマンは置き去りにされます。

ホフマン物語 あらすじ
✳︎ 第5幕 ステッラ(エピローグ) ✳︎

ルーテルの酒場のモデルになったレストラン「ルーテルとヴェーゲナー」がある、ベルリンのジャンダルメンマルクト広場の1815年の風景、出典:Wikimedia Commons

再びルーテルの酒場。

恋物語を語り終えたホフマン。オペラ『ドン・ジョバンニ』を歌いあげ、喝采を浴びたプリマドンナ、ステッラがやってきます。

しかし酔いつぶれたホフマンは、ステッラがオランピアなのか、アントニアなのか、ジュリエッタなのか分からなくなっています。過去の3人の女性は、現在のステッラを体現したもの。ステッラはホフマンに愛想を尽かして別れを告げ、リンドルフとともに去っていきます。

残されたホフマンは、絶望して死を望みます。ニクラウスがミューズの姿になって現われ、「お前を愛しています、ホフマン。心の灰は、才能を燃え立たせる!苦しみは祝福され、ミューズがそれを鎮めます・・・」と語りかけると、ホフマンを本物の詩人に生まれ変わらせます。

「人は愛によって大きくなり、涙によってさらに大きくなる」と全員が歌い、閉幕。

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神保 智 じんぼ ちえ 桐朋学園大学音楽学部カレッジ・ディプロマ・コース声楽科在学中。子どものころから合唱団で歌っていた歌好き。現在は音楽大学で大好きなオペラやドイツリートを勉強中。

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