NDT（ネザーランド・ダンス・シアター）プレミアム・ジャパン・ツアー2024

2024.06.10公演プレビュー

6月30日(日) 高崎芸術劇場
7月5日(金)、6日(土)神奈川県民ホール
7月12日(金)、13日(土)愛知県芸術劇場

5年ぶり待望の来日
コンテンポラリー・ダンスの現在がわかる5作品を披露

ウィリアム・フォーサイスの『One Flat Thing, reproduced』©Rahi Rezvani ウィリアム・フォーサイス ©Julian-Gabriel-Richter

コンテンポラリー・ダンスに少しでも関心があるなら
ぜひこの来日公演をお見逃しなく

ネザーランド・ダンス・シアター（NDT）はオランダのハーグにあるルーセント・ダンス・シアターを本拠地とするコンテンポラリー・ダンスカンパニーです。年齢別にI、II、IIIと３つに分かれ、階級制度は設けていないのが特徴で、年間10作品ほどの新作を上演し続けているダンス・シーンの最先端に位置するカンパニーです。現在日本人ダンサーも活躍しており、かつて在籍していた日本人ダンサーも多いです。

カンパニーは1990年に初来日し、以後来日を繰り返しています。1978年から1999年まで芸術監督を務めていたイジー・キリアンを迎え、彩の国さいたま芸術劇場では「彩の国キリアン・プロジェクト」を2000年から2004年まで行いました。この間、NDTのI〜IIIまで全て来日したり、新作を共同制作したりして、集中的にNDTのパフォーマンスに触れる機会がありました。13年ぶりの来日となった2019年の神奈川公演では立ち見が出るほどの盛況でコンテンポラリーを専門とするカンパニーですが、日本で人気の高いカンパニーとなったのです。

今回、高崎、横浜、名古屋で５公演が行われます。用意されているのは５作品で、そのうち各公演で上演されるのは３作品。全て異なる組み合わせで同じプログラムの公演はひとつもなく、とてもユニークな来日公演となっています。

シーンを牽引する振付家たちの作品

上演する５作品は、ウィリアム・フォーサイスの『One Flat Thing, reproduced』（2000年）、ガブリエラ・カリーソ（ダンスカンパニー、ピーピング・トムの芸術監督）の『La Ruta』（2022年）、シャロン・エイアール＆ガイ・ベハール（ダンスカンパニー、L-E-Vの共同設立者）の『Jakie』（2023年）、NDTのアソシエイトコレオグラファーであるクリスタル・パイト（ダンスカンパニー、キッドピボット設立。2023年に初来日）の『Solo Echo』（2012年）、同じくNDTのアソシエイトコレオグラファーであるマルコ・ゲッケの『I love you, ghosts』（2022年）です。

いずれも人気の振付家で、バレエの来日ガラ公演で彼らの小品あるいは作品の一部が上演されると知るとわざわざ駆けつけるファンもいるほど。鮮烈だったパイト率いるキッドピボットの初来日公演も記憶に新しいところです。レジェンド、フォーサイスから日本ではおそらく初めて本格的にお披露目されるシャロン・エイアール＆ガイ・ベハールまで実に考え抜かれた作品が揃っています。

マルコ・ゲッケの『I love you, ghosts』©Rahi Rezvani

コンテンポラリー・ダンスはクラシック音楽でいうと現代音楽、同時代に作られた現在進行形の芸術です。背景に理論や概念、テーマはもちろんあるのですが、振付家や作品のことを知らないまま作品と対峙することに、問題はありません。鑑賞スタイルは自由。予備知識なしにいきなり体験した方が受け取るものが豊富で素晴らしい鑑賞経験になるかもしれません。

いろいろなダンスがあることを知る良い機会です。ぜひ劇場で足を運びましょう。
特設サイト: https://ndt2024jp.dancebase.yokohama/

2024年6月27日の記者会見の様子はこちらから