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日本の長崎が舞台のオペラ、プッチーニ【蝶々夫人】あらすじ紹介からジャポニスムまで

作曲家、ジャコモ・プッチーニ

ジャコモ・プッチーニ 出典:Wikimedia Commons

今日、「オペラ」と聞いて多くの人がまず思い浮かべるイメージは、『蝶々夫人』、『トスカ』、『トゥーランドット』など、プッチーニのオペラなのではないでしょうか。プッチーニのオペラは現在、世界各地のオペラ劇場で上演人気ナンバーワンと言っても過言ではありません。プッチーニはまさに、イタリアオペラ界の大巨匠なのです。

プッチーニの略歴

[1858年 0歳]
12月22日イタリア、トスカーナ地方のルッカに生まれる。

[1876年 18歳]
管弦楽のための『交響的前奏曲』を作曲。

[1880年 22歳]
ミラノ音楽院に入学。

[1883年 25歳]
ミラノ音楽院卒業。ソンゾーニョ社のオペラ作曲コンクールに『妖精ヴィッリ』を応募するが落選。

[1884年 26歳]
リコルディ社が『妖精ヴィッリ』の版権を買い取る。人妻エルヴィーラと駆け落ち。

[1889年 31歳]
2作目オペラ『エドガール』、ミラノ・スカラ座で初演。

[1893年 35歳]
オペラ『マノン・レスコー』トリノで初演。

[1896年 38歳]
台本作家イッリカ、ジャコーザとの3人体制によるオペラ『ラ・ボエーム』をトリノで初演。

[1900年 42歳]
オペラ『トスカ』をローマで初演。

[1904年 46歳]
オペラ『蝶々夫人』をスカラ座で初演。エルヴィーラと正式に結婚。

[1906年 48歳]
ジャコーザ死去により3人体制終了。

[1918年 60歳]
オペラ3部作『外套』、『修道女アンジェリカ』、『ジャンニ・スキッキ』をニューヨーク、メトロポリタン歌劇場で初演。

[1920年 62歳]
トゥーランドット』のオペラ化を決定。

[1924年 65歳]
11月29日、喉頭がんの治療のため入院していたベルギー、ブリュッセルのクーロンヌ病院で死去。

[1926年]
フランコ・アルファーノの補筆により、オペラ『トゥーランドット』スカラ座で初演。

プッチーニの代表曲

プッチーニの魅力は、なんといっても一度聞いたら忘れられない甘美なメロディ。なめらかな流麗さを持ちながら音楽とドラマが完全に一致し、オペラの中で効果的に用いられるアリアは強烈な感情の波を起こさせます。

プッチーニのオペラは、ストーリーがシンプルで分かりやすく、展開がドラマティック。初めてオペラを見る方にも、プッチーニのオペラはおススメです。
そんなプッチーニのオペラの中から、特に有名なアリアをご紹介しましょう。

『私のお父さん』O mio babbino caro

プッチーニの代表曲と言えばこの曲!映画やテレビドラマ、CMでも多用されています。皆さんもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?

これは、オペラ『ジャンニ・スキッキ』の中でラウレッタという女の子が歌うアリアで、恋人との結婚を許してもらいたくてお父さんに懇願する曲です。このオペラはフィレンツェが舞台となっているため、アルノ川やヴェッキオ橋といったフィレンツェの観光名所が歌詞の中に出てきますよ!

アルノ川にかかるヴェッキオ橋 出典:Wikimedia Commons

『誰も寝てはならぬ』Nessun dorma

こちらはプッチーニのオペラ、『トゥーランドット』の第3幕冒頭部分で歌われる、テノール屈指の名アリアです!2006年トリノ冬季オリンピックの女子シングルフィギュアスケートで、見事金メダルを獲得した荒川静香さんが、フリースケーティングで使用した曲として覚えている方も多いのではないでしょうか?

中国北京の冷酷な王女トゥーランドット姫は、放浪の王子カラフの求婚を拒み、カラフの名前を解き明かすまで誰も寝てはならぬと自国民に命令を下します。カラフは姫の愛を勝ち取ることができると確信して、このアリアを歌います。

【2006年トリノオリンピック、荒川静香さんのフリースケーティング】

『歌に生き愛に生き』Vissi d’arte, Vissi d’amore

ローマが舞台のプッチーニのオペラ『トスカ』第2幕で、主人公トスカが歌うアリアです。捕えられた恋人カヴァラドッシを解放する代わりに、警視総監スカルピアに自分のものになるよう迫られ、苦悩の中で歌います。

オペラの最後では、サンタンジェロ城でカヴァラドッシが銃殺刑に処せられ、トスカも絶望して城の屋上から身を投げます。

ローマ、サンタンジェロ城 出典:Wikimedia Commons

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神保 智 じんぼ ちえ 桐朋学園大学音楽学部カレッジ・ディプロマ・コース声楽科在学中。子どものころから合唱団で歌っていた歌好き。現在は音楽大学で大好きなオペラやドイツリートを勉強中。

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