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古代エジプトが舞台のスペクタクル・オペラ、ヴェルディ『アイーダ』~あらすじや曲を紹介~

オペラ『アイーダ』は、古代エジプトを舞台にしたスペクタクル・オペラ!

有名な「凱旋行進曲」を始めとする、壮大でエキゾチックな世界観に引き込まれてしまいます。三角関係を扱ったストーリーは、思いっきり泣ける悲劇。「またオペラが見たい!」と思える、そんなオペラです!

オペラ『アイーダ』は直近で、4月5日(水)~4月21日(金)に、新国立劇場オペラの公演が予定されています。

1.オペラ『アイーダ』とは?~愛と権威の闘争~

オペラ『アイーダ』のポスター(1908年,オハイオ)
出典:Wikimedia Commons


オペラ『アイーダ』は、イタリア・オペラの巨匠、作曲家ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)の作品です。

ヴェルディのオペラの中でも最も有名で、最も演奏されることの多いオペラの一つです。

その人気の理由は一目瞭然!ゴージャスな音楽と舞台、異国情緒あふれる古代エジプトの雰囲気は、誰でも楽しむことができます。

一方、オペラ『アイーダ』の物語と音楽をよく見てみると、そのドラマが展開する背景には、愛と権威の闘争が。社会的権威が押し付ける「法」によって、押しつぶされる個人の「愛」を、それぞれの登場人物の視点で写し出しています。

それでは、オペラ『アイーダ』を詳しくみてみましょう!


アイーダ|Aida

原作:オーギュスト・マリエット=ベイの原案に基づきカミーユ・デュ・ロクルが底本
台本:アントーニオ・ギスランツォーニ
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
初演:1871年12月24日、エジプト、カイロのオペラハウス
構成:全4幕
上演時間:約2時間30分

オペラ『アイーダ』先読みあらすじ

オペラ『アイーダ』1890年出版の台本表紙
出典:Wikimedia Commons


古代エジプトの首都メンフィス。エジプトの将軍ラダメスは、女奴隷アイーダと愛し合っています。アイーダは、本当は敵国エチオピアの王女ですが、その身分を隠してエジプトにいます。一方、エジプト王女アムネリスもラダメスを愛しています。アムネリスは、アイーダが恋敵ではないかと疑っています。

ラダメスはエチオピアとの戦いに勝利。アイーダの父、エチオピア王アモナズロが捕虜として連行されてきました。エジプト王は凱旋してきたラダメスを、王位継承者としてアムネリスの夫とすることを宣言します。アイーダとの結婚の可能性を断たれたラダメスは戸惑います。

アイーダは父アモナズロに迫られ、ラダメスから軍の機密情報を聞き出します。アイーダとアモナズロは、共に逃げようとラダメスを説得。しかし、アムネリスに発見されラダメスは捕縛、アイーダとアモナズロは逃走します。

ラダメスは裁判の結果、生き埋めの刑に。地下牢で死を覚悟するラダメスの前に、共に死のうと忍びこんでいたアイーダが現われます。来世で結ばれることを願い、2人は息絶えます。地上では、アムネリスが死者の冥福を祈ります。

2.オペラ『アイーダ』の登場人物

アイーダ|ソプラノ
エジプトの女奴隷。実はエチオピアの王女。
ラダメス|テノール
エジプトの若き将軍。
アムネリス|メゾソプラノ
エジプトの王女。
アモナズロ|バリトン
エチオピアの王。アイーダの父。
ランフィス|バス
エジプトの厳格な祭司長。
エジプト国王|バス

ほか

次のページ:3.『アイーダ』のあらすじ

神保 智 じんぼ ちえ 桐朋学園大学音楽学部カレッジ・ディプロマ・コース声楽科在学中。子どものころから合唱団で歌っていた歌好き。現在は音楽大学で大好きなオペラやドイツリートを勉強中。

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