ヴェルディ渾身の人間ドラマ、オペラ『リゴレット』～あらすじや曲を紹介～

９.関連作品

オペラ『道化師』|　I Pagliacci

METライブビューイング2014-15『道化師』リハーサル映像

オペラ『リゴレット』の他にも、道化師が主人公のオペラがあります。その名もずばり『道化師』！イタリアのオペラ作曲家レオンカヴァッロ（1857-1919）による全２幕のオペラです。

『リゴレット』は宮廷に出仕する宮廷道化師でしたが、こちらは道化を演じる旅回りの役者が主人公。妻ネッダの浮気を疑う座長カニオが、道化役を演じながら芝居と現実の区別がつかなくなり、ネッダとその愛人を殺してしまうというストーリー。

カニオ役のテノールが歌うアリア「衣装をつけろ（Vesti la giubba）」が有名です。
オペラ『道化師』は、リアルな人間劇とドラマティックな音楽が特徴的な「ヴェリズモ・オペラ」の代表作です。

ディズニー映画『ノートルダムの鐘』

ディズニー・ミュージック・ショーケース「僕の願い」

ディズニーの長編アニメ映画『ノートルダムの鐘』の原作者は、オペラ『リゴレット』と同じヴィクトル・ユーゴー。ユーゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ」が原作です。1996年に映画公開されました。

主人公のカジモドは、ノートルダム大聖堂に住む醜い鐘つき男です。カジモドは背が曲がっており、背中にこぶのあるリゴレットとキャラクターの設定が似ています。悲劇的な結末を迎える原作に対して、映画はハッピーエンドで終わります。

『ノートルダムの鐘』はミュージカル化もされ、小説や映画とは異なるラストで楽しむことができます。

参考文献
ＣＤ『歌劇「リゴレット」全曲』ルチアーノ・パヴァロッティ（マントヴァ公爵）、リッカルド・シャイー指揮、ボローニャ歌劇場管弦楽団＆合唱団、1989年録音、ポリドール
『名作オペラブックス10　リゴレット』アッティラ・チャンパイ、ディートマル・ホラント編、下位英一リブレット対訳、岩井智子本文訳、音楽之友社（1988年）
『スタンダード・オペラ鑑賞ブック　イタリア・オペラ下』音楽之友社編、音楽之友社（1998年）
『オペラでわかるヨーロッパ史』加藤浩子著、平凡社（2015年）
『徹底ガイド:ヨーロッパ　オペラの旅』キャロル・プランタムラ著、近藤茉莎訳、音楽之友社（2003年）
『イタリアの都市とオペラ』福尾芳昭著、水曜社（2015年）

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